決定権の誤解 | 現役男性保育士の保育園では言えないこと

現役男性保育士の保育園では言えないこと

都内で保育士をしています。
普段感じていることを書いていきたいと思ってます。

「決定権の誤解」ということを知ったのは、保育士になってからだった。

何かの研修の時に、聞いたんだと思う。

 

調べたら、「決定権を誤解する子、理由を言えない子」(かもがわ出版)という本が発行されたのが、2009年なので、その頃だったかもしれない。

この本は、副題に「発達障害がある子に誤解をもたせない育て方のポイント」とあるように、発達障碍の子向けに書かれたものであり、著者も発達協会の人である。

ただ、著者の一人、湯汲英史氏は、2015年に発行された「0歳~6歳 子どもの社会性の発達と保育の本」(学研教育出版)の中でも、「決定権の誤解」について書いており、発達障碍の子だけに有用なものではない。

 

何かをする時に、自分の思いどおりにならないと、大人をたたいたりする子がいる。

「それを決めるのは誰か」というのを伝えてもらっていないために、その子は、決定権を誤解している可能性がある。

 

例えば、スーパーで何かを買ってもらえなくて泣く子がいる。

その子は、スーパーで買うものを決めるのは親だということがわかっていない。

その場合、買うものを決めるのは大人だということをきちんと知らせることが大切だということである。

 

私は、少し斜めな性格なので、研修とか行っても、「これはちょっと違うんじゃない」と、あんまり素直に講師の言うことを受け入れないのだが、この話を聴いた時には、珍しく、これってその通りだなって思った。

 

保育園で、送迎時の親子の様子を見ていると、「決定権を誤解させているな」って感じる親子も多い。

もちろん、その線引きは各家庭ごとにそれぞれでいいと思うし、逆に、決定権を親が持ち過ぎるのはよくないし、あそびなどでは、子どもに決定権を与えることが大事だと思う。

ただ、決定権が誰にあるのかを明確に伝えることで、子どもの迷いがなくなり、子どもとの関係が円滑になるのは確かだと感じている。