奥座敷から本玄関である仏間、十畳の居間、それから前室、玄関、と、いなかの家は、めったやたらと広かった。
夏なんて、襖を取り外して簾をかけていたので玄関から奥座敷の奥の間まで、ずずずいっと、丸見えだった。
糸を裁縫箱から取り出して、
石鹸箱の底に紙を貼り、真ん中に糸を通し、
長い長ぁい糸を張り詰めて、部屋の端から端にひっぱって、
力を入れすぎたら紙が破れてしまうから、微妙に力を入れて・・・・・。
「もしもし・・・・。」
「もしもし、・・・・・こちら、千です。」
子供のころ、
夏によく、糸電話を作って遊んでいた。
石鹸箱を耳にあて・・・・・・・・。
ありゃ、不思議だった、と言うか、タイミングがね、・・・・・・・・・、ムズカシイ。
でも、聞こえるんだな!これが。
内緒話してるような、
ちょっと、・・・・ドキドキ、ワクワク。
とんと、忘れ果てていた遊びを久ぶりに思い出した。
微妙さ加減が、
なんだか、今の千にぴったりそうで・・・・・・
フッと思いつく千さんて、やっぱ!ただ者じゃないでしょ。
そして、それで遊べる千さんて・・・・・・・・・・(^_^;)
ううむ、ただね、糸電話、一人じゃ、つまんないんだな、困ったことに。
大人な千さん一人遊びは得意だけど、長続きがしないのが、タマニキズ!