前回の続きです。
何故、単科大学の東工大・一橋大のほうが、総合大学である旧帝国大学3番手の阪大よりも難易度が高くなるのか?
前回の考察からも明らかのように、首都圏にたくさんいる全国2番手層のうち地元志向の受験生は一工を選択し、地元に拘らない受験生は京都大学を選択しているが、関西にいる全国2番手層は京大を受験しており阪大には全国2番手層がほぼいないことがその原因と考えることができると思います。
現在の一工の難易度の高さは、東京に東大以外の総合大学がない事、関東に東大以外の旧帝国大学がない事に尽きると思います。
国立大学の志望の首都圏(特に東京)の受験生って、冷遇されていると思いませんか?
2021年の合格者平均偏差値でみると偏差値50未満(河合塾全統記述模試偏差値)の国立大学(工学部系統)は
北見工業(北海道)、弘前(青森)、岩手、秋田、山形、山梨、島根、鳥取、山口、香川、高知、大分、宮崎、鹿児島、琉球(沖縄)
と15大学もあります。去年の簡単だった共通テストで合格者の平均得点率が65%以下で入れる大学もたくさんあるのです。
ボーダーではなく、合格者平均ですよ。。。
一方で東京の工学部志望だと農工大か電通大が下限となりますが偏差値は60程度あります。首都圏まで広げても、下限の埼玉大学でも偏差値55程度が必要になってきます。
国会議員選挙では1票の格差が憲法違反となっているのでは、と問題視されていますが、各地域別受験生あたりの国立大学の入学枠というのは問題ないのでしょうか?
人口の少ない地域にも国立大学がないと入学機会が奪われるという理屈もあるのでしょうが、地元志向の国立大学受験生が必要となる努力量が地域によって雲泥の差。不公平と思う人もいると思います。
国立大学には運営費交付金という貴重な税金を投入しているわけですから、それなりに高いハードルがあって当たり前だと思います。
統廃合して、重点的に科研費を増やすとか学費を下げても良いような気もしています。
地方だけでなく、関西圏と関東首都圏でも大きな差があります。
関西地区に、京都大学、大阪大学という2つの旧帝国大学に加え、旧帝国大学に準ずる神戸大学という3つの総合大学があることを考えると、首都圏には、東大の他に旧帝国大学が1つ、それに準ずる総合大学が1つずつあるとバランスが良いと個人的には思っています。
つまり、首都圏に、全国区の仮称帝国大学(現東大)、東京地区の旧帝国大学として仮称東京大学(新設)、神戸大学の首都圏版として仮称横浜大学(現横国に法文、農医歯薬系も足した総合大学のイメージ)があるといい塩梅ではないか、って妄想したります。
話を戻して、現在の体制のまま、仮に東工大と一橋大が東京以外(首都圏以外)に移転してしまったらどうなっちゃうと思いますか?
このシリーズ最終回に続きます。