東工大など難関国立大学理系志望者の有力併願先である早慶理工学部。
早慶理工学部ならどっち?の続きです。
まずは難易度から。
2022年入試最新の河合塾偏差値でみると早稲田、慶應とも65となっておりどちらも全く同じです(早稲田のみ先進理工・生命医科学は67.5、創造理工・創造機械と環境社会62.5となっていますが、その他の学科はすべて65)ので、合格者平均偏差値を並べてみました。
【合格者平均偏差値】
◎早稲田大学
基幹理工学部 67.5⇒67.6
創造理工学部 66.6⇒66.3
先進理工学部 67.7⇒67.7
◎慶應義塾大学
理工学部学門A 68.3⇒68.2
理工学部学門B 67.7⇒68.8
理工学部学門C 68.0⇒68.4
理工学部学門D 68.0⇒67.4
理工学部学門E 68.3⇒67.5
(いずれも河合塾全統模試理系総合偏差値、2020年⇒2021年)
如何でしょうか。
体感でも早稲田創造理工が比較的合格しやすいとは思いますが、同じくらいだと思いますので、互角と言って良いように思います。
ちなみに2021年入試の合格者平均偏差値最高は早稲田先進理工学部物理学科の69.3となっていました。
【入学者のレベル】
合格者のレベルは上記のとおりですが、入学者のレベルはどうでしょうか?
早稲田理工学部の一般入試入学者は合格者2747名中806名(辞退率70.7%)
慶應義塾大学理工学部の一般入試入学者は合格者2444名中602名(辞退率75.4%)
となっております。辞退者の多くは東大、東工大などの難関国立大学か早慶W合格でどちらかを選んだ実力者と思いますので、入学者偏差値は合格者偏差値よりも低くなっているものと思われます。
また、入学者の内訳は下記のとおり。
早稲田 一般入試48.0%、指定校推薦27.3%、付属校20.5%
慶應 一般入試61.8%、指定校推薦18.8%、付属校19.7%
早稲田の一般入試入学者が過半数を割っているというのは驚きです。
(上記数字はすべて2020年実績)
【併願成功率】
続いて、併願者の合格成功率をみてみます。
(2020年入試結果、ベネッセのデータです。早稲田は基幹理工学部になります。)
【東京大学合格者】
早稲田理工学部合格率 89.7%(105/117人)
慶應理工学部合格率 97.1%(238/245人)
【東京大学不合格者】
早稲田理工学部合格率 48.8%(106/217人)
慶應理工学部合格率 63.3%(231/365人)
【東京工業大学合格者】
早稲田理工学部合格率 60.0%(27/45人)
慶應理工学部合格率 56.6%(30/53人)
【東京工業大学不合格者】
早稲田理工学部合格率 10.3%(7/68人)
慶應理工学部合格率 23.1%(30/130人)
如何でしょうか。
・東大合格者はまず合格できるし、早慶両方受けてもどちらもほぼ取りこぼさない。
・東大不合格者や東工大合格者だと五分五分で早慶理工両方受ければほぼどちらかに合格できる。
・東工大不合格者だとかなり厳しく、早慶理工両方受けても多くが両方とも不合格。
といった感じです。
東北大学だと合格者であっても早慶理工に合格できない人が大半(2014年代ゼミのデータ、慶應理工合格率14.9%、早稲田理工合格率24.3%)となります。
ここまでみると、実は早慶理工学部にW合格する方の殆どは東大や東工大などの前期国立に合格しているので、早慶理工学部に進学する方は少ないと言えると思います。
一方で、前期国立残念な方は早慶理工に合格していたとしてもどちらかにしか合格しないので、悩む必要はないということになります。
このような事情からW合格選択者のサンプル数は少なく、実態が分かりにくくなっています。
東大や東工大合格者が早慶どちらに入学金を納めたかといったデータがあれば実態が分かるのですが、そのようなデータは存在しないわけです。
とは言え、少ないサンプル数ながらW合格選択データはありますので、それらも含め、最終結論を次回に(長くなってすいません)。