東工大第一志望者の場合、私立併願校はどこにするか、とその難易度や対策法を記載します。
東工大受験科目は英語数学物理化学の4科目ですから、私立はどこでも負担無く受けることが可能ですが、一般的には早慶、理科大になると思います。
東工大受験生であればMARCHも考えるでしょうが、東工大を本気で受かろうと考えている層(安定的にC判定以上出ている層)であれば理科大は取りやすいと思います(理由は後述します)。
一方で、早慶の壁は厚く、東工大合格レベルであっても滑り止めには全くなりません。
東工大合格者であっても早慶どちらかを取りこぼしている人は結構多いです。
【早慶】
早慶いずれも共通テスト利用試験はなく、個別試験だけになります。
早稲田・・・創造理工、基幹理工、先進理工と3つの学部がありますが、併願はできず、どこか一つしか受けることが出来ません。配点は英語120,数学120,物化120点です。
慶應・・・学門に分かれていますが、早稲田同様併願は出来ずどこか一つしか受けることが出来ません。配点は英語150,数学150,物化200。
東工大合格者でも早慶理工を取りこぼす理由は3つあると思います。
理由1:競争相手が東大など難関国立大受験者になりますので、当然に難しいです。
理由2:英語の配点が高い。東工大受験者は英語が苦手な傾向にありますが、英語の配点は東工大20%に対し、早稲田33%、慶應30%と高く、英弱は落ちやすい。
理由3:対策をあまりしていない。例えば、我が家は東工大の過去問は10年+15カ年と25年分解いていますが、早慶過去問は各2年分しか解いていません。やっている人でも本命校の半分以下、せいぜい5年分だと思います。どれ位試験結果に影響するかは分かりませんが。
東工大、早稲田理工、慶應理工に相性の差はあると思いますが難易度そのものの差はあまりないと思っています。
数学得意英語苦手だった我が家の場合、各塾の模試の判定も早慶理工のほうが厳しく出ていました(東工大はA判定だが、早慶理工はB判定とか)。
なお、慶應薬学部は数Ⅲと物理なしの3科目になり、難易度としては早慶理工と理科大の中間くらいかな、と思います。
【理科大】
理科大のポイントをまとめると下記4点になります。
1.A方式(共通テスト利用試験)、B方式(個別試験)、C方式(共通テスト併用型)と3つの受験方式があります。いずれの試験も併願可能なので3回チャンスがあります。
2.理学部、工学部、理工学部、先進理工学部など学部毎に受験が可能(B方式)なので、どこでも良いから理科大行きたいとなれば、私立文系のような乱れ打ち受験が可能です。
3.試験科目は英語、数学、理科1科目です。
4.試験問題自体は早慶や東工大に比べるとだいぶ解き易い。
受験した方なら分かると思いますが、早慶と理科大では問題の難易度、科目数、受験機会が異なる結果、合格しやすさがかなり違います。
注意点を挙げるとB方式やC方式で合格した場合、入学金の納付期限は早慶の合格発表後ですが、A方式で合格した場合は早慶の合格発表前に入学金を支払わなければなりません。
我が家は、そのことを知らずに理科大にセンター利用で出願してしまいました。
早慶理工合格発表前に入学金30万円を支払う必要があり、返金されません。
一般受験が免除される代わりに入学金は早く納めてください、ということでお金で時間を買うというのがセンター利用ということかと思います。
結局、我が家はセンター利用の権利を放棄し、B方式で受験し直しました。
東工大で安定的にA-B判定出ている層であれば、B方式の理科大はかなりの確率で合格できると思いますし、相性の良い問題に当たれば特待合格(毎年50万円支給)の可能性までありますので、あえてセンター利用(共通試験利用)を出願しなくても良いかなと思います。