「火星の上の床屋さん」
ある日、窮屈な地球に嫌気がさして、僕は火星に行ってみた。
火星に行くことなんてもちろん人類初の偉業なわけで。
そしたら、そこで床屋さんを見つけた。
どうしてそんなところに床屋さんがあるのか理解できなかった。
でも、それからというもの僕は考えるようになったんだ。
床屋さんは他にも見えないところに沢山いるのかもしれない。
郵便ポストの中に
灰皿の下に
ポケットの中に
もっともっと色々なところに・・・
いつから僕たちは世界を窮屈なものにしてしまったのか?
でもそれは単なる気のせいにすぎなかったよ。
だって火星の上に床屋さんを見つけたんだから。
本当の人類の進歩は火星に行ったことじゃなくて、
火星の上に床屋さんを見つけたことだったんだ。