歌謡祭 第1夜」高視聴率の立役者は? 「NHK紅白より面白かった」という声も
「歌手不足、ヒット曲不足と言われる中、こういう手法があったのかと目を見張りました。持ち歌を歌わせるだけでなく、“リスペクト!!カバー”と銘打って、KinKi Kidsに山下達郎の『クリスマス・イブ』を、氷川きよしには山口百恵の『さよならの向う側』を歌わせるなど見応えがありました。『さよならの向う側』は百恵ちゃんの事実上のラストシングルで、ファイナル・コンサートの最後に歌い終えてから、ステージにマイクを置いたという伝説の曲です。今年いっぱいで歌手活動を休止する氷川は、『紅白』出場前にマイクを置いてしまうのではないかと思ったほど、気合いが入っていました」
“豪華コラボ”もあった。
「森高千里と乃木坂46で森高の『ジンジンジングルベル』をコラボ。彼女はヒザ上丈のミニスカートで乃木坂に対抗していました。女優の満島ひかりがFolder時代の盟友・三浦大知と『上を向いて歩こう』をコラボしたのも良かった。2人でダンスを披露するなどSNSでも大絶賛されていました」
港新社長も笑顔で登場
「水谷豊さんでしょう。親友の木梨憲武と共に登場したのは夜7時26分でした」
水谷:こんな感じだったなと思って、いま思い出しています。どうしてこんなことになったんだろう?
木梨:なんか、(フジテレビの)新社長・港さんと水谷さんがお店でばったり会って……。
――客席で笑って見ている港浩一社長が映る。
水谷:港さんと同い年なんですよ。若い頃から励まし合って、「お互い頑張ろうね」って言ってずっときていて、気がついたら港さん、社長になったって。聞いたら、今年も同い年なんですよ。
相葉:毎年、同じだと思います。
水谷:それで、「もうちょっと頑張りましょうね」とお互い励まし合っていたところに、いきなり電話があって……。
相葉:ノリさんから電話があったんですか?
「相棒」連呼
水谷:うん、「水谷さん、12月7日、『FNS歌謡祭』なんですけど、何してんの?」「いや、その頃は『相棒』(テレビ朝日)の撮影でしょう」「抜け出してこられるでしょう?」って。
木梨:合間抜け出してちょっと……。
水谷:抜け出してきたんです。石田(弘=フジテレビ嘱託エグゼクティブプロデューサー)さんにも会えるって来たんだよね。
木梨:早く歌わないと「相棒」始まっちゃいますんで。
永島:いいですか? スタンバイのほう。
木梨:右京さんでもあるんで、水谷さん、いったん見せていただけますか? 歌前で申し訳ないんですけど。
――と、ティーポットとティーカップを水谷に手渡す。
永島:え? いいですか?
相葉:局を超えて!
練られたセットリスト
「歌唱中、曲の紹介として出されたテロップには、《1979年にリリース!ドラマ『熱中時代・刑事編』主題歌》とありましたが、言うまでもなく『熱中時代』シリーズは日テレのドラマ。連呼された『相棒』はテレ朝ですから、フジにはまったく関係ありません。しかも、この日の夜9時からは『相棒』が放送されたのですから、よく声をかけたなと感心しました」
「水谷さんは『カリフォルニア・コネクション』が大のお気に入りで、作曲した平尾昌晃さんのコンサートでもステージに出てきて歌っていましたからね。今回は気持ちよく口説かれ、『相棒』の宣伝にもなると思って出演を決めたのでしょう」
「さすがに曲紹介のテロップは、《平野紫耀主演ドラマ主題歌》としか出ていませんでしたけどね。ドラマ『silent』(フジ)の主題歌を、出演者の目黒蓮の前振りでOfficial髭男dismが歌い出すという演出も見事でした。コア層(13~49歳の男女)のみならず3層(50歳以上の男女)にも見てもらおうという演出が、『紅白』との大きな違いであり、高視聴率の決め手だったと思います」
「今回の『FNS歌謡祭』にジャニーズは『紅白』よりも多い7組が出場しましたが、Snow Manに沢田研二の『勝手にしやがれ』を歌わせれば3層だって見るわけです。事実、第1夜の個人視聴率は、コア層が8・5%、F3層(50歳以上の女性)が9・3%も取っています。水谷さんが19時台に出演したのも、“なかなかやるじゃん”と3層を引きつけたはずです。視聴率に対してよく練られたセットリストだと思います」