標準治療否定医者ではありませんよ〜 | 「あとは緩和」といわれたら

「あとは緩和」といわれたら

少量抗がん剤治療(がん休眠療法)で
元気に長生きを目指す ー

少量(緩和的)抗がん剤治療を中心とした,
“非”標準治療でがん診療を組み立てていると,
「標準治療を否定する医者」と思われている

節があることに時折遭遇する.

某統合医療クリニックにて肺の手術は危険だから

やってはいけないと言われて来院された患者さん.

現病歴の詳細な確認・診察が終わり,最新画像も確認した.

・若くて元気

・DFI(無再発期間)が長い

・転移病巣が2個と少ない(オリゴメタ).

・転移病巣はともに肺抹消にあり,ともに腫瘍径2cm以下 

 

といったところ故に,至った結論は,
当院での少量抗がん剤治療でも,自家がんワクチン療法

(免疫療法)でもない.

この患者さんの場合,手術もしくはそれに準じた

局所治療が一番望ましいだろう,となった.
その旨を患者さんに伝え,何故,そう考えるのかを

腫瘍学的視点を交えて説明する.

 

また,呼吸器外科専門医でもあったため,

手術内容や手術の安全性などについても説明した.

 

説明後,
『先生は,標準治療を否定している方だと思っていました.

  少量抗がん剤治療をお願いしようと相談に来たのですが,

  手術を薦められるとは思いませんでした』 と.

『当院の患者さんは,標準治療の適用がなくなった方々が

殆どなので,治療内容も標準から外れることが殆どです.

しかしながら,標準治療がベストの道筋・選択と考えれば

標準治療も大いに患者さんにお勧めしていますよ.』

と返答.

 

当院は,諸事情で標準治療の適用から外れた患者さんの

治療をどうするかを長年模索してきたというだけで,

標準治療を否定しているわけではありません.照れ

 

個々の患者さんの病状のその時々・タイミングで

一番ベストだと思われる診療内容を選択・提示できるように

心がけています.