昔のカルテを整理としていたら,
開院当時の,子宮平滑筋肉腫症例のカルテに目が留まる.
約14年前の症例だ.
アドリアシンの少量継続投与で1年以上,
肉腫肺転移の増殖が副作用なく抑えられていた.
肉腫といえば,今もそうだが,
再発症例の治療に難渋する代表的ながん種である.
当時,本症例を含めたいくつかの症例が,
抗がん剤の少量使用で病巣の増殖が抑えられており,
『抗がん剤は,必ずしも“てんこ盛り”の必要はないんだ』
と患者さんの治療そのものから学んだ.
教科書で叩き込まれた,第1相〜第3相試験のプロセスって,
降圧剤や高脂血症薬などの・・・例えば,
効果対象と薬剤感受性を単純に1対1の関係として見ていく
様な場合は有用なのかもしれないが,
多様ながん細胞からなるがんの中の,ある1つのがん細胞
(しかも,そのがん細胞の含有比率・ポピュレーションも
個々の患者さんでバラバラなはずで・・・)に対応する
薬剤の感受性や投与量を正確に導く方法論としては
十分なのだろうか?
とは言っても他に方法ないよなぁ・・・
でも,同じ様な疑問を感じている医療者,たぶんいるよね?