久しぶりの学会で | 「あとは緩和」といわれたら

「あとは緩和」といわれたら

少量抗がん剤治療(がん休眠療法)で
元気に長生きを目指す ー

日常に追われ,
最近出席していなかったとある全国学会へ.

久しぶりの学会会場ではあったが,
何人かの知人医師に出会う.

皆,元気そうである.

お互いに近況報告をしながら,
年末に博多で一杯やろうと約束して会場を後にしてきた.

さて,会場内をグルリを回ってみての
感想・・・

世の中,あまり変わっていないな・・・と.

特に,抗癌剤治療の分野は相変わらず,

新薬や臨床試験の最新の知見は
それなりに盛りだくさんだが,
“根っこ”の部分は相変わらずである.

ダブルブラインドのエビデンスの話から抜け出ていない.

まぁ,そんなものかと・・・

同様に,抗癌剤の副作用についても
CTCグレードの3,4の発現率あたりで話が進められる.

つまり,CTCグレード2までは
治療にともなうマイナスとしては許容というのが前提である.

グレード2の副作用は,患者さんを診ていると
結構きついのだが・・・

抗癌剤副作用をCTCグレード1 未満に抑えようとしている
当院の治療とは根本的にナニかが違う.

低用量抗癌剤治療を世に問うには,
何故,低用量で効くのか?という
その現実を説明しうる仮説もしくは説明モデルが

必要になると考えている.

現行の抗癌剤の“投与-効果発現モデル”では
何故低用量の抗癌剤で効果のある症例が存在するのかを
説明することが出来ない.

だから,まず新しい仮説・説明モデルが必要になる,

じつは,仮説も説明モデルも当院なりにはでき上がっている.

当院に治療の相談にお見えになる患者さんには,
それらについて説明している.

さほど難しい話でもなく,話のスジは通っていると思うので,
患者さんの理解は良好である.

“なるほど,
そんな考え方なのですね,と・・・”

あとは,どうやって論文という形にして
世に出していくかなのだが.

医学の世界は“お作法”が大変なため,
なかなか簡単にはコトが進まないのだ.