重箱のスミを突くか突かぬか | 「あとは緩和」といわれたら

「あとは緩和」といわれたら

少量抗がん剤治療(がん休眠療法)で
元気に長生きを目指す ー


当院で診ている患者さんの多くは
病期IVの患者さん.

大ざっぱにいうと遠隔転移のある患者さん.

さらに,がん診療全体の中での位置付けは
“pre緩和”.

ブログ:pre緩和
http://ameblo.jp/gin-nami/theme2-10048692959.html

pre緩和=“元気”な癌難民といったところか.

さて,日常臨床では,
必要に応じて,画像検査を行うことになるが,

メインの画像検査は

胸・腹部レントゲン
超音波検査 の2つで十分である.

そして,時折CT検査.
MRIやPET検査は殆ど行うことはない.

何故か?

 

答え:必要ないから.

病期IV ,特にpre緩和の病態においては,
ザックリと患者さんの全体を把握して
癌が落ち着いていて患者さんが元気ならそれでOKと考える.

故に個々の患者さんでコレっと決めた
評価病変が経過の中で確認できていればいい.

評価病変の観察を通して
全体の病態把握に置き換えることが
可能であることが殆どであるため,

レントゲンと超音波検査以外の
画像診断を必要とすることはそうあることではない.

ある意味安上がりだ.
お金をかけなくてもちゃんと診療はできる.

患者さんの中には,細かい転移病巣の検索のため
PET-CT検査をして欲しい等の申し出をされる方もおられる.

患者さんの詳しく検査をしたい,

という気持ちもわからなくはないが,

重箱の角を突くように細かい転移巣探し,
わずかな病巣の変化の追求は
結局,“木を見て森を見ず”の状態に近いと感じている.

まぁ,画像診断に対する疑問点は.その都度
診察室でぶつけてくれていい.

その適応・必要性等についてお答えすることは
全く苦にはならない.

 

 

 

★φ(-_- 。)・・・
※当院での低用量抗がん剤治療症例が
 2012年4月の時点で総数400症例を超えました. 
 その中からの経験症例を少しずつ紹介していきたいと

 思います.
 
※低容量抗がん剤治療・・・
 細かいことをいうと微妙な定義の違いはあるようですが,
 当院ではがん休眠療法,メトロノミック療法と呼ばれて

 いるものとコンセプトは同じと捉えています.
 本ブログでは低用量抗がん剤治療の呼称を使用します.

※当院の治療は,同一がん種においても使用する抗がん剤の

 内容・投与量は個々の患者さんの病態・治療歴・その他の

 諸条件により様々です.
 そのため,提示した患者さんに行っている薬剤使用法が,

 ブログをご覧頂いている患者様にそのまま適用できるという  ものではありません.
 読者の皆様に,そういった誤解を与えないために本文中では
 使用薬剤についての
記載を省いてありますことをご了承くだ

 さい.


2012年4月
銀座並木通りクリニック 
http://www.ginzanamiki-clinic.com/