肺小細胞癌 | 「あとは緩和」といわれたら

「あとは緩和」といわれたら

少量抗がん剤治療(がん休眠療法)で
元気に長生きを目指す ー

肺癌症例.組織型は小細胞癌.
タバコ関連悪性腫瘍の代表みたいな癌.

さて、このタバコ・・・
肺癌の発生率上昇だけでなく,肺線維症の原因にもなる.

肺という臓器は,正常だと極めの細かい,
柔らかいスポンジの様なものとイメージするといい.

北海道,富良野市在住(空気がキレイなところという意味)
の煙草を吸わない女性の肺のホルマリン標本は,
ラベンダー色をした極めの細かいスポンジの様である.

煙草で痛んだ肺,つまり肺線維症になった肺のイメージは

“汚れたヘチマのたわし”.

ゴワゴワと硬く,スカスカした感じ + タバコのヤニ.

 


さて,肺線維症という病態は,抗がん剤治療とともに

肺の線維化が一気に増悪することがある.

病態コントロールができなければ呼吸不全で死に至るという
かなり扱いの厄介な併存疾患.

だから,肺線維症をともなう肺癌患者さんの場合,
癌治療そのものが肺線維症を悪化させる
トリガーとなる可能性があるため,抗がん剤投与という
治療行為そのものが敬遠される傾向がある.

確かに
,よかれと思いながら提供する治療が
逆に,患者さんの首を絞めるようでは元も子もない.


低用量抗がん剤とはいえ,肺線維症併存症例では,
最大限の慎重・注意を要する.

患者さんの覚悟とサポート体制が十分整わない環境での
治療の提供はできない.


 

★φ(-_- 。)・・・
※当院での低用量抗がん剤治療症例が
 2012年4月の時点で総数400症例を超えました. 
 その中からの経験症例を少しずつ紹介していきたいと

 思います.
 
※低容量抗がん剤治療・・・
 細かいことをいうと微妙な定義の違いはあるようですが,
 当院ではがん休眠療法,メトロノミック療法と呼ばれて

 いるものとコンセプトは同じと捉えています.
 本ブログでは低用量抗がん剤治療の呼称を使用します.

※当院の治療は,同一がん種においても使用する抗がん剤の

 内容・投与量は個々の患者さんの病態・治療歴・その他の

 諸条件により様々です.
 そのため,提示した患者さんに行っている薬剤使用法が,

 ブログをご覧頂いている患者様にそのまま適用できるという  ものではありません.
 読者の皆様に,そういった誤解を与えないために本文中では
 使用薬剤についての
記載を省いてありますことをご了承くだ

 さい.


2012年4月
銀座並木通りクリニック 
http://www.ginzanamiki-clinic.com/