2015年にNature Genetics発表された、重要論文。
A Big Bang model of human colorectal tumor growth.
Andrea Sottoriva, et al. Nature Genetics Vol.47, 209–216 (2015)
無茶苦茶ザックリと要約すると、
がんの個性や悪性度は、育っていく途中で変わるのではなく
「最初のビッグバン(発生直後)でほぼ全部決まっている」
という話です。
旧常識、というより今現在も、
がんは「ちいさな変異」を何度も繰り返しながら、
だんだん凶暴(悪性)に進化していく、という説明が
一般的なのだが、「ビッグバン説」の出現で
パラダイムシフトが起きた。
(とは言うものの、当院は、20年前からこのビッグバン・
セオリーのスタンスで治療の組み立てをやっているの
だが・・・)
ビッグバン説による新事実として、
1:がんは生まれた瞬間の「ビッグバン(大爆発)」で、
変異のバリエーション(多様性)が一気に勢ぞろいする。
2:腫瘍が大きくなってから新しく出てくる変異はほんの
わずか。
→多分、変異の殆どは転移巣(個人的見解)
3: 腫瘍の中にあるいろんな性格の細胞は、「後から進化して
勝ち残った」のではなく「最初からそこにいて、
そのまま一緒にでっかくなっただけ。
一番大事なポイントとして、悪性度は最初から決まっている。「タチの悪いがん(浸潤・転移しやすいがん)」は、生まれた
瞬間からタチが悪い(Born-to-be-bad)ということ。
伝わりにくいかもしれないが、がん細胞の多様性の成り立ちを
どの様に考えるかで、がんの治療戦略は変わってくる。
今後、世界は、がん治療戦略変更の帰路に立つことに
なるだろう。
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