え?

そんなこと、本当にできるの⁇

そう思っていました。


起こったことは変わらないのに

どうやったら

過去を書き換えるなんてことができるの⁇


タイムマシンに乗って、過去に遡って

出来事を変えないと無理じゃない⁇


って。


いいえ。

できるのかもしれません。


いえ、できるんです。


わかってなかった。

簡単なことだったんですね。


「視点を変える」


これだけ。

たったこれだけ。


どこから見るか。

それを変えるだけで

過去はガラッと変わる。


とっても簡単。

とってもシンプル。




じつは、最近ふと

過去のことを思い出しました。


お義母さんから

「息子は騙された」と言われたこと。


騙されでもしなかったら

こんな女と結婚するわけがない、というのです。


言われたときは、とっても傷ついた。


まわりの人は言いました。


「子離れできていない母親が

息子が自分以外の女性を選んで

自立してゆく現実を受け止められず

八つ当たりしているのだから

気にしなくていい。

それにしても、とんでもない人だね」


って。

ほんと、その通り。


なのに、わたし、

お義母さんの言葉を

真に受けてしまったんですね。


当時夫は、社会に出て

世間知らずの現実を突きつけられ

天狗の鼻をへし折られ

自己肯定感も自己信頼感もズタボロで…


ネット依存

タバコ依存

買い物依存、と

あらゆる依存にどハマり。


なので、お義母さんの

「あなたと結婚したせいでこんな目に」

「優しい息子は騙されて利用された」

は、かなりこたえました。


本当は、

夫がそうなっちゃったのは

生育環境で育まれたものが

影響しているから、なんですけどね。


それなのに、わたし

「そうか…

彼は、本当は違う現実を求めていたのに

わたしに利用されちゃったのか」


そう思っちゃったんです。

弱りはて、困り果てて

どこかに落とし所を見つけたかったんですね。


じつは、このエピソードには

もうひとつ、別のエピソードがあります。

それは…


「お前だけ幸せになっていいよな」と

夫に言われたこと。


お義母さんの「騙された」発言より

夫の言葉のほうが

うんと破壊力がデカかった。


「お前に騙されて、俺はこんなに苦しんでる」

と言われたようなものです。


実際は、夫も

「お前はあの女に騙されたのよ!」という

お母さんの言葉に逃げて

自分と向き合えないことの言い訳に

わたしを利用しただけなんですけれど。


そこまでわかっていても

心のどこかでくすぶって

折に触れて出てきてしまう


「本当は違う現実を求めていたのに

わたしに騙されて彼は不幸を背負い

わたしだけが幸せになろうとしている」


という後ろめたさ。


なぜ?


そうです。


「なぜ?」


よくよく考えてみました。

あれから現実はどう動いて

いま、どうなっているのか。


そうしたら、

自分のなかから、こんな発想が出てきた。


「いまがこんなに恵まれているのだから

あのときわたしに騙されてよかったね!」

(騙してないけどね爆笑


彼がもし、

本当は違う現実を求めていたとしても

わたしに騙されて、それが選べなかったとしても


いま、こんなにも恵まれている。

いま、こんなにも穏やかな暮らしがある。

そう思ったら…


「騙されてみるもんだよね」って。


さらには


「わたし、超すごいペテン師じゃない⁇

だって、あんなにダメダメ、

ボロボロだった彼が

こんなにも、イリュージョン級に

幸せに暮らせているんだもの」


…という話を、娘に聞いてもらいました。


「お母さん、ペテン師じゃなくて、マジシャンよ」


娘がそう言いました。


オホホと笑ってお茶を飲む優雅な時間。


マジシャンかぁ。


ほんとに。

魔法みたいだわ。


天使の力添えのおかげ。