●香高堂食文化記=早春賦と恵比寿ランチ

 

<早春賦>は冬と春が交互に訪れる季節に、春を今か今かと待っている歌。

「♬春は名のみの 風の寒さや 谷の鶯 歌は思えど 時にあらずと 声も立てず 時にあらずと 声も立てず♬」と歌われる。2020年3月下旬、日本帰国後2年近く経つも経ってしまった。今年は花見の散歩がゆったりとした気分で味わえるだろうか。

買い物と身体維持だけの外出の日々は続き「♪春は名ばかり 風の冷たさ オミクロン風は暴れるが 時は今とばかり 声も立てず♪」

時の過ぎ去るのは早いが、件の風は頭越しにさえずり続けている。

 

 

先週9日にワクチン接種、3回目もファイザーで、江東区は早めに案内が来た。モデルナなら早めに出来たようだが、面倒なのでそのままファーザーで臨んだ。左腕の注射部位に痛みを感じる程度で、翌日ゴルフ練習したが、庇っているのか、こわごわ振っているとインストラクターに言われアプローチ練習に切り替えた。

だが、数日身体が重い日々が続き、文章も書く気になれなかった。やっと書き始めたが、どうやら3回目は精神に影響を与えるようだ。家のカミサマも土曜に打ったが、日曜はまる1日眠る様になっていた。

 

毎日、朝食と昼食作りの日々が続いている。朝はパンかアジア麺、玄米ご飯が中心で、残り物野菜を使った和洋のスープを作る。その後はリンゴにプルーンを刻んでヨーグルトを食べるのが長年の習慣になっている。朝の運動後にリンゴを切り始めると「毎日よく続いているなあ」と我ながら感じ入る。

会話の少ない夫婦、家のカミサマが突然前日夜に「明日土曜は昼前にワクチン接種、その後友人とランチをする」と言い出した。久しぶりに昼食をつくる必要が無いので、近所の弁当でも食べようと思った。どうせなら「恵比寿南オカミハウスの雲丹飯でも食べよう」と遠征を試みた。病院以外に墨田区江東区を出るのは何か月ぶりだろうか。

 

 

さすが、元寿司屋の定食だ。雲丹飯は味付けご飯の上にウニが載っている。牡蠣に肉豆腐、そして寿司桶に入った野菜サラダが付くが、ドレッシングが少し多い。だが、味噌汁の出汁はしっかり、大根おろしたっぷりの卵焼き、これぞ寿司屋の味、これで1500円なら安い。カニ飯も始めたようだが、久しぶりに外食を味わった。ランチしかやっていないが、恵比寿まで遠出しても惜しくないと思う。

 

 

食べ終えて突然、<青魚丼>が食べたくなった。海外から一時帰国の際はまず必ず食べていた。鯵や鰯の叩きをスーパーで買ってきて、時には鰹や秋刀魚などを温かい白いご飯に乗せる。酢飯では無く、普通のご飯が良い。ここに生姜を溶かした醤油をかけるだけだが、茗荷や大葉や刻んで掛けるのも良い。だが、歳を取って魚の脂の臭みが気になりだしたので、このところやっていない。