●旅空香高堂=昭和のオジサン塾③「錦糸町のおもてなしとうらあり」

 

江東区毛利のマンション自室のリフォームは順調に進んでおり、墨田区緑での仮住まいは3月13日までだろう。大横川と堅川を渡って徒歩15分の距離、この辺りは江東区と墨田区が背中合わせであり、錦糸町は「おもてなしとうらあり」の街になっている。

散歩していると、最近は若者や子連れの夫婦が目立ち、ワンルームマンションが増えている。何故か、小さな美容院が至る所に出現している。経営が成り立つのか気になるが、フランス並みに髪を染めるだけの人々が多くなっているのであろうか。

 

 

作家の故半藤一利氏は下町の向島生まれ、昭和の東京大空襲、悲惨な戦争が何故始まったかを考え、「軍人が人間をいかに強引に動かしたかの物語」であると指摘する。焼け跡になったこの墨田区、江東区には小さな町工場が存在する。戦後に一所懸命働き、大きなビルに育てた人々、小さな町工場で今もコツコツと維持している人々が生活している。路地裏には家々には鉢植えの花々が並び、下町庶民の街は息づいている。

 

 

一方ある調査によると、犯罪が多い区ワースト5は渋谷区、新宿区、池袋駅を抱える豊島区、上野などのある台東区、そして錦糸町のある墨田区らしい。不便で犯罪が少ない街を選ぶか、利便性も犯罪もある街を選ぶかは背中合わせの問題だ。人によって、自分が許せる適度な範囲、ライフスタイルや治安に対する許容度で、心地良さと悪さは異なってくる。万人に住みやすい街はなく、時代と世間のウケが良いだけだ。

ところで、何故か錦糸町は東京に憧れる千葉県民の憩いの街、入門編の街らしい。写真は京葉道路の夕暮れ時と錦糸町駅。