●旅空香高堂「ローヌ・アルプ記② イヴォワールでランチ、トロンで宿泊」

 

7月26日は長い1日になった。高速道路はアルプスの見える山間をぬってジュネーブを横目に国道に入り、15年ぶりにレマン湖の南岸に足を向ける。午前11時半前、レマン湖岸に佇むお花が溢れる小さな村<イヴォワール(Yvoire)>に到着した

 

       

イヴォワールは中世の城壁が残り、どの石畳の路地にも色鮮やかなお花が溢れ、石造りの家屋が建ち並ぶ。「花の村」コンテストでは毎年入賞するようだ。村のメインストリートは、端から端までゆっくり歩いても10分も掛からず、情緒たっぷりの石造りの門を抜けて村外れまで行くと、木々に囲まれた高台から対岸が眺められる。

 

       

 

家のカミサマ曰く、自分が居た数十年前と違い、レストランやお土産物屋が軒を並べ、すっかりとリゾート地となり、観光地化してしまったと嘆いていた。とにかくマルセイユでは食べられない「普通のフレンチ」を食べたかったので早速ランチタイムゆっくりと湖岸を見ながら、久しぶりに2時間以上かける。マルセイユの食事情と比較しながら「これだ、これで良いのだ」と感嘆の声が上がる。  

 

       

❖ランチ

・サーモンタルタル=サーモンはフランス人の大好物であるが、少し燻製されたもので生臭さが無く、食べやすい。

・ウサギのパテ=マルセイユのパテは塩っ気が強いので全く買わないが、ウサギ肉の臭みは上手く消してある。

・牛肉ステーキ=餌が違うのか、肉の味がきちんとしている。マルセイユの肉屋では高い金を出して何回も買うが不味い。

・フィレ・ド・ペルシェ(淡水魚のフライ)=これは夏のレマン湖名物らしいが、日本のワカサギなどの方が旨い。粉と揚げ方の問題と思えるが。とにかくフランス人はフリットの仕方が下手だ。

・付け合わせ=肉にはポテトグラタン、焼き具合がちょうどよい。ペルシュにはフレンチフライ、これもからりとしているが、マルセイユがダメなだけか。

とにかく、マルセイユにはちゃんとした料理人が少ない。 

 

       

 

レマン湖のフランス側イヴォワール、鴨の親子が綺麗な湖水に、水を走り回る小ガモを必死に守る親ガモ。イヴォワールの小さな村を散策しながら、透き通る湖水を眺める。アクセスはスイスの<ジュネーブ>や<ローザンヌ>から湖船に乗り、美しい湖の風景を眺めながら、優雅に移動するのがお勧めのようだ。

 

       

26日午後遅く、ワインの酔いも醒まして、<イヴォワール>の東25kmの所にある、レマン湖畔に佇む高級リゾート地<エヴィアン(Evian)>方面に向かう。エヴィアンまでは約40分程度だが、ゴルフ選手権のため街中では宿がとれず、そこから、さらに30分程度の小さな村<トロン=tollen>が2日間の宿泊地となった。

 

       

 

<イヴォワール>から湖岸沿いを走り、<エヴィアン>からは山道に入り、小さなスキーリゾートの村<トロン=tollen>へ。着いたのは午後5時過ぎ、マルセイユ出発から12時間後であった。正式名称は<Thollon-les-Memises>、この村は50のダウンヒルスキーに直接アクセスできるスキーリゾートで、14のゲレンデには18基のスキーリフトがある。部屋の目の前にはゲレンデが拡がっていたが、生憎の曇り空だった。近くにレストランは無く、<Hotel Bellevue>での食事しか無かった。1泊目の夕食はグラタンとピザだけだったが、普通に美味しく食べられた。またまた、どうしてマルセイユでは・・・の言葉が出てしまう。 

 

       

 

2日目はエヴィアンのゴルフ場で飲み食いが出来たので、目の前のチーズ屋でチーズとパン、近くのミニスーパーで果物と生ハム、ワインを買って、テラスでのんびりとする。そうそう、東に40キロ程度のモントルーには、フレディ マーキュリー像もあるそうだ。晩年の2年間、レマン湖畔のモントルーをエイズでの闘病生活の拠点に選んだようだが、私は全く興味が無い、当時からあの白い肌シャツとパンツが好きでない、ピンクのパンツならまだしも。