~変化~

ドッ~ン、ドドッ~ン!
花火の音を全身で感じながら、夜空に七色に開く花をキミと眺めていた。火薬の匂いと人々の歓声、波の音、潮風のやわらかさ。そしてつないだキミの手の温もり。

キミガホシイ・・・

「美優?」
「ん??」
人目を気にもせず、キミと口付けを交わす。キミはすこし驚いた様子、それでも微笑みを浮かべて僕を見つめてくれた。キミの髪をそっと撫でながら、僕は微笑み返す・・・

最後の花火も打ち終わり、帰り支度をする人々のざわめきが聞こえはじめる。
「花火、終わっちゃったね。どうする?」
「ん~そうだなぁ、お腹空いてる?」
「ううん、私は大丈夫。桜井クンは?」
「僕も平気。じゃあ、行こうか?」
そう言った僕の口元はだいぶ緩んでいたらしく、
「もぅ、どうせエッチなこと考えてるんでしょう?や~ね。。」
とキミはあきれ顔で応じる。
「どうせって・・・^^;美優だって考えてるだろ?」
「考えてませ~ん。残念ね♪」
僕をイジメるのが楽しいのか、キミはころころ笑っている。
「じゃあ、いいよ。何もしないからさ。。」
そう答えると、僕の顔を下から覗き込んでキミは言う。
「何も?ホントに~?」
「ホントだよ。美優がしてほしいって言っても何もしてあげない」
僕は反撃を試みる。キミは慌てる素振りも見せずに、
「神に誓ってそう言える?」
そう切り返す。
「神には・・・誓わない。。」
そう答える僕に、しょうがない子ねとでも言うように、キミは僕の手を取り、歩きはじめる。さっきまでよりも強く手を握りしめ、キミは微笑んでいたね。


横浜駅で降り、西口方面へと向かう。ステラおばさんのクッキーに誘惑されそうなキミを急かして、先へと進んでいく。
「もぅ、せっかく美味しそうだったのに~」
頬をふくらせるキミに、
「さっきお腹いっぱいだって言ってなかったっけ?」
と応じる僕。
「言ったわよ。でもぅ~」
「はいはい、わかったよ」
そう答えながらも、足を止めずにキミの手を引く。
「もぅ、桜井クンははじめの頃と印象違うよね。もっとマジメで優しいヒトだと思ったのに~」
とトンデモナイことを言うキミ。
「実際は、こんなにイジワルで、やらしくて、きっと躰が目当てなのね。私泣いちゃうよ」
キミはエ~ンと泣く振りをしながら、ちらっと横目で僕を見ている。はぁ~まったく。。
「美優だって、もっと大人の女性かと思ったら、躰はまあ確かに魅力的だけど、ぐーたらで、子どもッぽいし、僕も泣いちゃうよ」
ふふっとキミが笑うので、僕もつられて笑顔になる。

「でも、躰は魅力的だけどって言うことは、やっぱりソレ目当てじゃないの?」
まだスネてる振りをしながらキミは言う。
「そんなことないよ。躰も心も好きなんだ、知ってるよね?」
「知らな~い」
「まったく、素直じゃないなぁ」
苦笑いする僕に、
「素直じゃないも~ん♪」
キミは笑ってこう答えていたね。やわらかい空気に包まれて僕ら、幸せと思える時を過ごしていた。