~甘い夏~

7月も半ばを過ぎると、夏の太陽がギラギラとアスファルトを焼き付けて、外に出るのも億劫になっていた。自然とキミとふたり、僕の部屋で過ごす週末も多くなっていたね。


「んぅ~、もう10時半か」
伸びをしながらつぶやく僕。隣りで寝ているキミを起こさないように、ベッドから起き上がる。もう一度伸びをして、キミの寝顔を眺める。綺麗だな、そう感じながらキミの髪を撫であげる。
「何時?」
いつの間に目が覚めたのか、瞳を閉じたままキミは問いかけてくる。
「もう10時半だよ」
「ん~、わかった・・・」
そう言いながらも、ちっとも起き上がる気配がない。喉の渇きを覚えた僕は、冷蔵庫からオレンジジュースを取り出して喉を潤す。

「何飲んでるの?私もほしい」
うっすらと瞳を開けて僕を見るキミは、それでも起き上がる気配がない。ふたりでいるとぐーたら娘になってしまう、そんなキミもかわいらしくて、思わず僕は微笑む。
ベッドまで近寄って、冷えたオレンジジュースを軽く口に含み、キミに口付けをする。流れ伝う液体がキミの喉をとおるとき、微かだけど甘美な想いもキミの中へ伝わっていく。そんな気がしていた。

「ありがとう」
「どういたしまして、お姫さま」
僕がそう言うと、キミはいたずらっ子の目で応える。
「ね?私もしてあげよっか?」
そう言うと、僕の手からオレンジジュースを受け取って、軽く口に含む。僕をベッドに押し倒し、馬乗りになって微笑むキミ。両手で頭を抱えながら、キミは僕に口付けを交わす。キミのやわらかくてあったかい唇から、冷たい液体が伝わってくる。絡まるキミの舌もひんやりしていて、想像以上の刺激を僕の体に伝わしてゆく。ゴクリ、液体を飲み干してキミを見つめる。キミの瞳もとろ~んとした様子で僕を見つめている。

「なんか口移しってヘンな気分になるね」
キミは照れ笑いしながら、もう一度キスをしてくれる。
「ヘンな気分?そう?じゃあ確かめないとだね」
僕はキスを返して、そのままキミの躰に手を伸ばしていく。すこし恥ずかしがりながらも、僕を受け容れるキミの仕草にソソられる。僕の期待よりすこし大きな胸も、妖しさ漂う腰のくびれも、キスに弱い綺麗な天使の羽も、僕の官能を刺激するには充分すぎる。
「好きだよ、美優」
そう言って僕はキミの中へと入っていく・・・


こんな日を繰り返しながら、キミと僕は躰を重ねあい、深く深く付き合っていくことで、お互いにお互いを求めていったんだね。
そして、舞台は横浜へと移っていく。