~雨模様~
会社に着くなりパソコンを起動し、エミュレータを立ち上げる。覚えたてのC言語を懸命に駆使しながら、プログラムを作成していく。コンパイルエラー。
はぁ、嫌になる。どうにか忘れていた朝のもやもやを思い出す。はぁ、ホント嫌になる。ふと窓の外を見ると、しとしとと雨が降りだしていた。
キミに会いたい・・・
そんな僕の気持ちを知ってか知らずか、キミからメールが届く。
"今日、ご飯一緒できる?"
"もちろん。いつものとこで待ち合わせでいいかな?"
"OK じゃあまた後でね"
ふぅ、ため息とも安堵の吐息ともとれるような呼吸ひとつ。すこし疲れた微笑を浮かべながら、デスクに向き直る。なるようになるさ、そう思いながらプログラミングを続ける。
「お待たせ。ごめんね、なかなか仕事抜けられなくて」
慌てて駆けてきたのか、キミの額にうっすら汗がにじんでいる。
「走ってきたの?大丈夫?そんな無理しなくてよかったのに」
「大丈夫よ。私から誘っておいて待ちぼうけさせたんじゃ申し訳ないじゃない?だからちょっとガンバっちゃった」
そう言って微笑むキミは、年上に見えないくらい健気な様子でかわいらしく感じる。
「よしよし、よく頑張ったね。それじゃ、美味しいものでも食べにいこっか」
微笑み返しながら雨の新宿をキミと歩き出す。
わいわいガヤガヤとした人々の雰囲気があふれるお店で、キミと向かい合ってお酒を飲んでいた。デザートを食べるにはお腹が膨れすぎたのか、まったりとした空気がキミと僕を包んでいた。
と、時計を見遣るキミ。
「あら?!もうこんな時間。桜井クン、電車だいじょうぶ?」
キミとの会話が弾んで、気が付いたら0時を回っていたらしい。
「ん~?ホントだ、すっかり電車のこと忘れてた」
「間に合いそう?」
心配そうに見つめるキミ。僕は・・・
ヒトリニナリタクナイ・・・
そう心が囁いている。だから僕は嘘をついてしまった。
「う~ん、ダメそう。間に合わないな。。」
「困ったわね。どうする?」
キミはホントに心配そうな顔をしていたね。
「綾瀬さんはいいよ。まだ電車あるでしょ?僕はひとりで大丈夫だから」
ソンナノウソダ・・・
「それはダメよ。私も付き合うよ」
そうキミは答える。僕を放ってキミが帰らないことを知っていたんだ。僕はキミの優しさにつけこんで、傷を癒そうとしていたんだね。ごめんね。。
「ありがとう」
そう言った僕に当然といった風にキミは微笑を返してくれる。
お店を出てふたり傘を並べて歩いていく。心の傷に静かに雨が染みこんでいくようで、すこし苦しくなる。チクリ。
「桜井クン、大丈夫?何だか元気ないみたいね?」
「ん?平気だよ。ただすこし疲れてるみたいなんだ」
「そう?ん~これからどうしよっか?」
僕は何も答えずに歌舞伎町へと続く横断歩道を渡る。キミは心配そうな顔をして僕の後に付いてきていたね。
僕は何も言葉にすることができず、キミもすこしうつむきながら、ふたり押し黙ったまま雨の中を歩き続ける。
ラブホテルの前に来て、僕は歩を止める。
「入る?」
ズルイヤツ・・・
心の声が僕を責める。そんなのわかってる。。
キミはうつむいたまま、こくりとうなずいて僕の上着の袖をきゅっと掴んでいたね。
会社に着くなりパソコンを起動し、エミュレータを立ち上げる。覚えたてのC言語を懸命に駆使しながら、プログラムを作成していく。コンパイルエラー。
はぁ、嫌になる。どうにか忘れていた朝のもやもやを思い出す。はぁ、ホント嫌になる。ふと窓の外を見ると、しとしとと雨が降りだしていた。
キミに会いたい・・・
そんな僕の気持ちを知ってか知らずか、キミからメールが届く。
"今日、ご飯一緒できる?"
"もちろん。いつものとこで待ち合わせでいいかな?"
"OK じゃあまた後でね"
ふぅ、ため息とも安堵の吐息ともとれるような呼吸ひとつ。すこし疲れた微笑を浮かべながら、デスクに向き直る。なるようになるさ、そう思いながらプログラミングを続ける。
「お待たせ。ごめんね、なかなか仕事抜けられなくて」
慌てて駆けてきたのか、キミの額にうっすら汗がにじんでいる。
「走ってきたの?大丈夫?そんな無理しなくてよかったのに」
「大丈夫よ。私から誘っておいて待ちぼうけさせたんじゃ申し訳ないじゃない?だからちょっとガンバっちゃった」
そう言って微笑むキミは、年上に見えないくらい健気な様子でかわいらしく感じる。
「よしよし、よく頑張ったね。それじゃ、美味しいものでも食べにいこっか」
微笑み返しながら雨の新宿をキミと歩き出す。
わいわいガヤガヤとした人々の雰囲気があふれるお店で、キミと向かい合ってお酒を飲んでいた。デザートを食べるにはお腹が膨れすぎたのか、まったりとした空気がキミと僕を包んでいた。
と、時計を見遣るキミ。
「あら?!もうこんな時間。桜井クン、電車だいじょうぶ?」
キミとの会話が弾んで、気が付いたら0時を回っていたらしい。
「ん~?ホントだ、すっかり電車のこと忘れてた」
「間に合いそう?」
心配そうに見つめるキミ。僕は・・・
ヒトリニナリタクナイ・・・
そう心が囁いている。だから僕は嘘をついてしまった。
「う~ん、ダメそう。間に合わないな。。」
「困ったわね。どうする?」
キミはホントに心配そうな顔をしていたね。
「綾瀬さんはいいよ。まだ電車あるでしょ?僕はひとりで大丈夫だから」
ソンナノウソダ・・・
「それはダメよ。私も付き合うよ」
そうキミは答える。僕を放ってキミが帰らないことを知っていたんだ。僕はキミの優しさにつけこんで、傷を癒そうとしていたんだね。ごめんね。。
「ありがとう」
そう言った僕に当然といった風にキミは微笑を返してくれる。
お店を出てふたり傘を並べて歩いていく。心の傷に静かに雨が染みこんでいくようで、すこし苦しくなる。チクリ。
「桜井クン、大丈夫?何だか元気ないみたいね?」
「ん?平気だよ。ただすこし疲れてるみたいなんだ」
「そう?ん~これからどうしよっか?」
僕は何も答えずに歌舞伎町へと続く横断歩道を渡る。キミは心配そうな顔をして僕の後に付いてきていたね。
僕は何も言葉にすることができず、キミもすこしうつむきながら、ふたり押し黙ったまま雨の中を歩き続ける。
ラブホテルの前に来て、僕は歩を止める。
「入る?」
ズルイヤツ・・・
心の声が僕を責める。そんなのわかってる。。
キミはうつむいたまま、こくりとうなずいて僕の上着の袖をきゅっと掴んでいたね。