~桜~
「本当に桜いっぱいなのね。こんなに綺麗な桜があるなら、今まで来なかったのがもったいないくらいね」
「来年も来たくなった?」
「もちろん。もう私のお気に入りスポットの中にインプットされてるから」
ピースサインと一緒に答えるキミ。
「お花見してる人もたくさんいるし、結構有名だったのね。桜井クンと出会えてよかったわ」
「それだけのことで?なんだか安いっぽい出会いだなぁ」
僕はすこし苦笑い。
「だってここに来れば元気になれそうじゃない?そんな場所を教えてくれたんだから、全然安っぽくないわよ」
「じゃあダイヤモンドくらいは値打ちもんだね」
「う~ん・・・そうでもないかしら」
そうやってまたいたずらっぽく笑うキミ。
「ここが温室だよ」
「ミッキーがいるところね」
「そうそう」
そんなことを言いながら温室へ入るふたり。
「これがミッキーね。ん~でもあんまり似てないわね」
「やっぱり?名前はキャッチーなんだけど、実際はそれほどなんだよね。」
「でもかわいいから許してあげる」
そう言ってCuteな微笑を手向けるキミ。
「へぇ、コーヒーの木もあるのね。カカオもあるし、このハイビスカスも綺麗ね」
「熱帯スイレン室にはもっと綺麗な花があるんだよ」
「ホント?早速見に行かなくっちゃ」
きょろきょろしながら、先へ進んでいくキミの様子はとてもかわいらしくて、年上だってことも忘れてしまいそう。
「ほら、この花だよ。とても綺麗でしょ?」
「わぁ~本当にこれは綺麗。翡翠みたいな花なのね」
「そう、だからヒスイカズラっていうんだよ」
「ぴったりな名前ね。あっ、この花も綺麗!カトレアよね」
「うん、こっちはラン室だから、ランの花がいっぱいでしょ」
「とっても綺麗」
パティオペディルムがなんでレディーズスリッパなんだろうなんてことをふたりで話しながら出口にさしかかる。
「桜も素敵だけど、この温室も素敵ね。新宿にこんな所があるなんてびっくりした」
「でしょ?綾瀬さんは新宿近いんだし、もったいないことしてたね」
「そうね。でももう覚えたから大丈夫よ。いつでも来れるから」
楽しそうなキミを見て、僕は何だかあったかい気持ちになっていた。
「ベンチに座ってすこしゆっくりしよっか?」
「そうね、桜もゆっくり見てほしそうだし、そうしましょう」
風にそよぐ桜の木の下で並んで座るキミと僕。花びらの風に舞う様子も綺麗に思える。
しばらく桜を眺めていたキミが、ぽつりと呟く。
「桜って不思議ね」
問いかけるでもなくキミは話しつづける。
「誰からも愛されているのに、4月のこの時期にだけしかかまってもらえないなんて。それなのに、毎年綺麗な花を咲かせるんだから、エライよね」
「ずっと桜が咲いていたら、誰からも愛されなくなるって思ってるんだよ、きっと。だから咲いては散ってを繰り返して、愛が離れないように耐えているんじゃないかな」
「そう?桜は誰からも愛されているけど、誰かを愛することはできるのかな・・・」
ふいに淋しそうな声になるキミ。何かあったのかな。
そう思ったとき、春のそよ風がいたずらに桜を舞い散らせた。桜舞う木の下で僕の隣に座るキミは、すこし儚げで美しく見えた。
「本当に桜いっぱいなのね。こんなに綺麗な桜があるなら、今まで来なかったのがもったいないくらいね」
「来年も来たくなった?」
「もちろん。もう私のお気に入りスポットの中にインプットされてるから」
ピースサインと一緒に答えるキミ。
「お花見してる人もたくさんいるし、結構有名だったのね。桜井クンと出会えてよかったわ」
「それだけのことで?なんだか安いっぽい出会いだなぁ」
僕はすこし苦笑い。
「だってここに来れば元気になれそうじゃない?そんな場所を教えてくれたんだから、全然安っぽくないわよ」
「じゃあダイヤモンドくらいは値打ちもんだね」
「う~ん・・・そうでもないかしら」
そうやってまたいたずらっぽく笑うキミ。
「ここが温室だよ」
「ミッキーがいるところね」
「そうそう」
そんなことを言いながら温室へ入るふたり。
「これがミッキーね。ん~でもあんまり似てないわね」
「やっぱり?名前はキャッチーなんだけど、実際はそれほどなんだよね。」
「でもかわいいから許してあげる」
そう言ってCuteな微笑を手向けるキミ。
「へぇ、コーヒーの木もあるのね。カカオもあるし、このハイビスカスも綺麗ね」
「熱帯スイレン室にはもっと綺麗な花があるんだよ」
「ホント?早速見に行かなくっちゃ」
きょろきょろしながら、先へ進んでいくキミの様子はとてもかわいらしくて、年上だってことも忘れてしまいそう。
「ほら、この花だよ。とても綺麗でしょ?」
「わぁ~本当にこれは綺麗。翡翠みたいな花なのね」
「そう、だからヒスイカズラっていうんだよ」
「ぴったりな名前ね。あっ、この花も綺麗!カトレアよね」
「うん、こっちはラン室だから、ランの花がいっぱいでしょ」
「とっても綺麗」
パティオペディルムがなんでレディーズスリッパなんだろうなんてことをふたりで話しながら出口にさしかかる。
「桜も素敵だけど、この温室も素敵ね。新宿にこんな所があるなんてびっくりした」
「でしょ?綾瀬さんは新宿近いんだし、もったいないことしてたね」
「そうね。でももう覚えたから大丈夫よ。いつでも来れるから」
楽しそうなキミを見て、僕は何だかあったかい気持ちになっていた。
「ベンチに座ってすこしゆっくりしよっか?」
「そうね、桜もゆっくり見てほしそうだし、そうしましょう」
風にそよぐ桜の木の下で並んで座るキミと僕。花びらの風に舞う様子も綺麗に思える。
しばらく桜を眺めていたキミが、ぽつりと呟く。
「桜って不思議ね」
問いかけるでもなくキミは話しつづける。
「誰からも愛されているのに、4月のこの時期にだけしかかまってもらえないなんて。それなのに、毎年綺麗な花を咲かせるんだから、エライよね」
「ずっと桜が咲いていたら、誰からも愛されなくなるって思ってるんだよ、きっと。だから咲いては散ってを繰り返して、愛が離れないように耐えているんじゃないかな」
「そう?桜は誰からも愛されているけど、誰かを愛することはできるのかな・・・」
ふいに淋しそうな声になるキミ。何かあったのかな。
そう思ったとき、春のそよ風がいたずらに桜を舞い散らせた。桜舞う木の下で僕の隣に座るキミは、すこし儚げで美しく見えた。