~出会い~

物語を紡いでいけるほどの才能が僕にはないけれど、この想いだけはいつまでも、いつまでだって紡いでゆける・・・


22歳の春。
これから起こる出来事を何も知らない僕は、社会に出る夢と希望を胸いっぱいに抱いてた。やりたいことが特にあるわけでもないけど、自立できるってことにとても満足していた。


ふぁ~ってあくび混じりの伸びをして、ベッドから起き上がる。今日から新しい自分がはじまるんだなって妙に納得して、まだ着慣れないスーツに身を包む。きゅっとネクタイを締めたら、気持ちまで引き締まる気がして、大人になりつつある自分を感じていた。


通勤電車に揺られ、会社までの道のりをドキドキしながら歩いてたあの日。バサっと何かが落ちる音。振り向くと、あたふたしながら落とした荷物をかき集めてるキミがいた。

「綺麗な人だな」
思わず見惚れた僕とキミの視線が合う。あわてた僕はしどろもどろになりながら、
「手伝います」
と言ってキミの荷物を一緒に拾い集めてあげたんだよね。
「ありがとう」
と言うキミの言葉にも照れちゃって、はにかんだ笑顔を浮かべることしかできなかった僕。


ここからキミと僕の物語がはじまったんだよね。