スピノサウルスの尾 いわば垂直に立てた大きな長方形の弾力を持った板である。
尾椎骨から見ても、さほど柔軟性はなく陸上でも水中でも尾を波を打つように振ることはできず、むしろ大きな抗力を生む振りになるだろう。
水中或いは水上で考えれば、それは推進力を生むのではなく、舵のように体の方向を変える働きをしたのではないか?
尾の大きさを考えれば、強烈な水の抗力を生んでスピノサウルスの体は水平方向に後ろ足を軸として容易に回転できる。
尾が舵であるなら尾以外に推進力を生みだせる機能がスピノサウルスにはないので遊泳は困難。
おそらくスピノサウルスは、浅い河川を歩きまわり、尾を舵として、後足を回転軸として、体を強く素早く左右に振ることができた。
或いは、岸辺で顎や前足で捕らえた獲物をより深みに引き込むための後進力を尾を左右に振ることで生み出せる。
この後進方法はワニも同様だが、スピノサウルスには泳ぐには最悪と言える硬い大きな固定板が背中に存在するので、水中を泳ぐ可能性はほぼない。スピノサウルスの尾は舵+後進力の働きに特化したものだろう。
この背中の固い板は、身体の激しい左右の振幅によって形成されたのだろう。
魚で言えば、側扁型で左右に薄く体高が高い。急な方向転換が得意。
ただこの側偏型が遊泳するには、大きさの限界があると思われ4mのマンボウが限界ではないか。
つまり水中で側扁した体を左右に振るには水圧の掛かり方が非常に大きい。