Hidden Enemy33 | The Lilies And Roses

The Lilies And Roses

当ブログはスキップビートの二次小説ブログです。
作者様・出版社様には一切関係はございません。
また文章の無断転載等はご遠慮下さい。

自由にのんびりと書きたいお話を載せていきたいと思います。
Laylaの完全自己満足&文章力UPの為の修行場です(´∀`)

※このお話は33巻からの続き未来のお話だと思って下さい。本誌とはズレが出て来ます。



眠たくなって…うつらうつらしながら…何とか歯磨きをし終えた…。

その後 ぼーっとしていたら…久遠さんが私をふわりと抱きかかえて寝室のベッドまで運んでくれた――…。

ベッドに私を優しく降ろして…彼も一緒に横になって…上から布団を掛けてくれて…。

そして…上の方に目を向けると…天井の近くにある大きな窓から少し光の弱まったオーロラが見えていた。

光が弱まった分、今度はさっきはあまり見えなかった満天の星空が綺麗に見えて――…。

それも…まるで宇宙空間にいるようで幻想的な世界に感じられた…。




「…本当は…カインの時にした約束を果たしたくて…スウェーデンまで俺も来たんだ…。」

久遠さんは私の耳元で囁き始めた…。低くてセクシーな声に…私の心臓の動悸は少し速まるの――…。

「いつか…満天の星空を見せてやるって――…。」

そんな…セツカの時にしてくれた約束を…貴方はしっかりと覚えていてくれて…果たしてくれたんですね…。

…私が決して叶う事はない…”演技中”だからしてくれたと思い込んでいた…約束を…。




その後は…とてもドキドキした…。ゆっくりと彼の顔が近付いて来て…キスをされたから…。

…もしかして…また…する…のかと思って――…。

でも…そうではなくて…。

久遠さんは…腕枕をしながら…抱き締めるかのように手をそっと私の頭の後ろに回して…髪を優しく…ふんわりと撫でてくれた…。

「…本当は…。本音を言うと…またキョーコを抱きたいけど…。でも…無理はさせたくないから――…。」

そう言うと…久遠さんは…代わりにキスをしてくれたの――…。

何回も…何回も…優しいキスを――…。

私の頬や頭を優しくそっと…そっと撫でながら…私が寝付くまで――……。

とても温かくて…心地良くて…私はそのまま彼に身を任せて…静かに夢の世界へと入っていった――…。





* * *




お風呂から上がって…キョーコの髪を乾かしている途中で…彼女は うとうとしていた。

そんな仕草も…とても愛おしくて――…。

俺はどうにかしたくなる衝動を…何とか抑えながら…ドライヤーを握っていた…。

その後…眠たくてうつらうつらしながら歯磨きを終えた君を…大切に抱きかかえて寝室のベッドまで運んだ。

2人ベッドに仰向けになっていると…天井近くの大きな窓からオーロラの弱い光に照らされながら輝く満天の星空が見えて――…。

カインの時にした約束を…果たす事が出来て良かったと思った…。

その事を君に伝えると…本当に…本当に嬉しそうに微笑んでくれて――…。

君のその笑顔に惹き付けられながら…ゆっくりと顔を近づけていって…そっと唇を重ね合わせた…。

そして…腕枕をして…抱き締めるようにしながら…君の柔らかい栗色の髪をそっと撫でて…。

…本当は…このままもう1度…君の事を抱いてしまいたかったけれど…俺の勝手でこれ以上負担を掛けるのも嫌で…。

やっと手に入れる事が出来た…大切な宝物を…傷付けたくない――…。

そう思いながら…だから…今夜は優しいキスを送る事にした…。

君の…滑らかな頬や…髪にそっと触れながら…何回も何回も優しいキスを――…。

…君が…夢の世界に入って行くまで…ずっと優しく…そっと――…。




今日は色々な事があって…疲れたよね…ありとうキョーコ…。

蓮はすやすやと眠っているキョーコの頭をそっと撫でながら…彼女の寝顔を見つめて…愛おしそうに微笑み…

そして…今までの出来事を色々と思い出し始めた――…。



「…お互い想い合っていたのに…誤解の…誤解の誤解で…ここまで来るのに本当に時間が掛かったね…俺達…。」



誤解の始まりはポーカーゲームの勝負に俺が勝った時からだった――…。

いや…正確にはその前からか…。俺は”鶏君”の中身を君だとは知らずに恋愛相談していたのだから…。

あの時 君は…俺には他に好きな人がいるから…だから自分の想いは一方的な恋心だと思い込んで…苦しんでいたんだね…。

だから…それなら…せめて”後輩”として…想いを秘めながら俺の傍にいたいって――…。

「…俺が好きなのは…君だったんだけどね…。キョーコ…?」

そう言うと…蓮は横で眠っているキョーコの頬をつんつん…と軽く指で押してみた。

………………ん……むにゃむにゃ………

すると彼女は一瞬 うーんと少し眉間に皺を寄せた後、すやすやと規則正しい寝息を立てて始めた。

――ふふ…キョーコのほっぺた…ぷにぷにしていて気持ちいい感触…。

蓮は優しい表情でキョーコを見つめながら、彼女の頬にそっとキスをした。




…君に…好きな人は”北欧人”って告白された時…俺の心は…本当に張り裂けそうなくらい…辛くて…苦しかった…。

その”北欧人”へ対する…本当に…愛しくてどうしようもない…君の切ない恋心が痛いほどよく伝わって来たから――…。

それだったら…その切ない悲恋の傷が少し癒えるまで…俺は君の傍で…見守ろうと思った…。



君の心の支えになりたくて…。

君の…心の中に…俺の居場所が欲しくて――…。



でも本当は…俺への秘めた想いを…君は泣きながら…必死に伝えてくれていたんだね…。



カインとセツカでデートを楽しんだ後…記録的な豪雨になった…あの日の夜――…。

君の浴衣姿はあまりにも魅力的過ぎて…何も考える事が出来ずに…気が付いたら夢中になって君の肌の感触を確かめていた…。

だけど…君の涙を見て…我に返って…。

そして…そんな状態でも演技をやり遂げようと必死になっている君に対して…俺は”敦賀蓮”にすら戻れなくなって――…。

気持ちが通じていないままでの行為ほど…悲しいものはないと感じた――…。

今思えば…あの時にお互い素の自分に戻って…ちゃんと”想い”を伝え合っていれば良かったんだね…俺達…。



その後…君の手帳に書いてあったコーンへのメッセージを読んで…君が…あの時”北欧人”に対して言っていた…

”愛しくてどうしようもない恋心”が…本当は”俺”に対して言ってくれていた事が分かった瞬間――…。

あの瞬間の感激は…生涯忘れる事は出来ない――…。

そして…これからは自分の人生をかけて君を守り抜くと…心にそう誓った瞬間でもあった――…。



蓮は再び彼女の髪の毛を優しく…そっと撫で始めた。すると…キョーコは眠ったままニコっと微笑み、ぼそっと寝言を呟いた…。

……ん………コーン……お空…飛んでる………

「………………………え……?」

そして…キョーコは蓮の方へ寝返りを打ってぴったりとくっ付いた。


――コーン…お空 飛んでる―――…。


「…何…キョーコ…。夢の中で妖精の国に行ってるの…?」



…ありがとうキョーコ…。

”コーン”は…これから自由に大空を飛び回る事が出来るよ――…。



君のおかげで…俺は…本当に今日新しく生まれ変わった気がする――…。

リックを演じて…彼の想いを…俺に伝えてくれた君…。

その後は…華奢な身体で…俺の愛…全てを受け止めてくれた――…。




鼻腔をくすぐる…甘い誘惑の香り…。

無意識に俺を煽る…艶やかな…君の喘ぎ声…。

最初は恥じらいを見せていた顔も…時間が経つにつれて…少しずつ…蕩けたような快楽の表情へと変わっていって――…。




そして ひとつになり…お互い抱き締め合った瞬間――…。

あの瞬間の…感動は…うまく言葉で表現する事は出来ない…。

ずっと…ずっと…心の底から…そうなりたいと願っていたから――…。

壊れそうなくらいに…想い焦がれて…焦がれ続けて来た…。

…快楽に酔いしれながらも…君の中から直接伝わってくる愛の熱に…これ以上はない…本当に最高に幸せを感じた――…。






まだ…今日あった出来事が夢のようで…信じられなくて…なかなか寝付く事が出来ない…。

蓮は深い眠りについているキョーコをぎゅっと…強く抱き締めた。



「…キョーコ…キョーコ――…。」



「………………愛してる――…。」




もう…これから先…何があっても…一生離さない――…。

自分の生涯をかけて…君を…守り抜いていくんだ――…。


蓮は再び心にそう強く誓い…抱き締めているキョーコの温もりを感じながら…静かに夢の中へと落ちていった。




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