結婚は夫婦による共同経営である。
結婚とは、他人同士が戸籍上一緒になると言う契約に過ぎない。だからこそ、幸せな家庭を作ると言う「事業の発想」が必要。そもそも嫌なら別れると言う発想では経営などできない。
結婚生活においても、事業同様にお互いが歩み寄り、家庭を潰す事なく、収支も考えながら、お互いが抱えたゴールに向かって着実に舵取りをしていく必要がある。
どちらかに過度に負担がかかると、すぐに経営破綻してしまうのは想像に難しくありません。経営などと言うと味気なく聞こえるかもしれませんが、「愛情だけではうまくいかない」と言う先人達の後悔は単に好き嫌いでは家庭を経営できないことを如実に表しています。
事業においても、大小様々な問題が日々起こりますが、そのたびにステークホルダー(利害関係者)間で調整して、問題を解決していきながら事業を前に進めています。その無限のベクトル合わせを止めた時、取引先が他社製品を選んだり、債権者が支援を取りやめたり、従業員が去ってしまう…等によって事業が破綻します。
これは結婚でも全く一緒です。成り行きではできないのが分かっているのに、多くの夫婦はビジョンも計画も持たず「経営」しています。恐ろしい事です。

またワンマン経営ならまだしも、「共同経営」と言うのも難しいところでしょう。
家事や育児の分担をめぐってぶつかり始めた時に、どちらかが一方的に言い分を通そうとすると、相手には言いくるめられた感が増幅し、憎悪に変質してしまうのです。
ここはお互い歩み寄って、どちらかが喜んで自発的に動いたり、相手のモチベーションを高められる仕組みを作っていかないと、なかなか効果も出ないものです。
ときには息抜きやボーナスも必要でしょうし、がむしゃらに困難に立ち向かうときもでてきます。男には男の、女には女の役割があるとは言え、共働きが前提の時代、どちらかに無理矢理「庶務」を押し付けることもできません。あくまで共同経営なのです。だからこそ夫婦で家庭と言う事業を「経営」していく発想が必要になる。

結婚生活は「目標」「計画」「マネジメント」だと考えるとわかりやすい。
感情だけに頼らず、お互いの夢を自分たちの言葉で伝えあい、すり合わせをしながら計画をたて、それをきちんとマネージメントしていれば、地雷を踏むリスクを最小限にすることも可能。
根っこにある、限られた時間を管理する力、イベントを考える企画力、感情や意思を言葉で伝えるコミニケーション力、お互いのベクトルを調整するマネジメント力を用いて、結婚というプロジェクトを成功させようと言う発想こそが必要である。
どうやら家庭は放っておいて育つものでは無いようです。
自らコミットして最高のものに作り上げなければならない。そういう困難を乗り越えた人が、結婚を機に人生にレバレッジをかけられる。
結婚とは家庭を経営するための「人生最大のプロジェクト」だと言えるでしょう。