技術の見える化スペシャリストの古謝です。

以前の記事でTRIZ(トゥリーズ)という方法論の話を少し書きました。その説明はここでは割愛させていただくとして、TRIZをうまく活用した事例の中に「コアンダ効果の活用」というのがあります。これは「流体が曲面に触れると、流れがその曲面に沿うように方向を変える」というものです。事例では確か「固体粒子とガスを分離する方法」として紹介されていたと記憶しています。

それを読んだときには「ふ~ん」でした。自分が何かで使うイメージがあまりなかったからだと思います。ところが、最近何と自分の家の台所に「コアンダ効果を利用した製品」があることを知りました。

それがこれです。
$観察力/想像力を鍛える図化のブログ-IHジェット口


IH用のレンジフードですね。今までのガスレンジ用のフードとは違う形になっています。吸い込み口の下の方にジェットの噴射口があるのが特徴です。(赤の点線で囲った部分)何故こうなっているかと言うと…「レンジから立ち上る暖気を効率的に引き込むため」らしいです。

ガスは炎があるので、強い上昇気流が起きます。だからこれまでのレンジフードはその上昇気流を集めるだけでOKでした。ところが、IHレンジでは上昇気流が非常に弱いので、暖気を強制的に引っ張り込む必要があります。この「強制引っぱり込み」をやっているのがコアンダ効果ということです。

こんな感じですね。
$観察力/想像力を鍛える図化のブログ-コアンダフード


TRIZの本やPC用のソフトで読んだだけの知識がこんなところで役立っていると知って驚きでした。