昨日は19時からTRIZ/USIT研究会の全体会で「免震」のことを議論しました。
どんな揺れが起きるか予想しにくい地震に対して「免震」で何を目指すべきかということの難しさを改めて感じました。

さて、その震災に関して、最近は空気中への放射線放出量も下がり少し安心しかかっていたのですが…
どうも昨日の夕方あたりから怪しい雰囲気になってきています。

しばらくは原子炉関連情報の掲載を止めようと思っていたのですが、突然最悪の事態が発覚してパニックに陥るよりは、たとえ間違っていても「最悪こんなことが起きているかも知れない」ということを事前に知っておけば少なくとも心の準備だけは出来ると思い、ここに掲載することにします。

直接的なヤバそうな現象は、1号機の格納容器内放射線量が約3倍に跳ね上がったことです。100Sv/hなので、最近馴染みのマイクロ単位で読み替えると1億マイクロシーベルト/時ということになります。(もともと30Sv/h程度でしたが)
※放射線量の単位はいつものニュースで流れるμSv/hでもmSv/hでもなく、Sv/h(シーベルト/時)です。
(間違いではありませんので念のため。原子炉の中ってそれほど凄いことになっているのですね)

以下にガジェット通信の記事のアドレスを引用します。
グラフ中の赤い線が格納容器内のデータです。

http://getnews.jp/archives/110033

18:30の記者会見で「測定機が故障している可能性もある」という東電のコメントがあったらしいですが、根拠がよくわかりません。更に、今日になってから1号機の放射線データの公開を中止しているとのこと。

確かに、測定機の故障と解釈することもあろうかと思います。でも、それはそれとして、「最悪の場合、もしこのデータが本当ならどういうことが考えられて、どんな対処を行う必要があるか」についても説明を行うべきなのではないかと思うのです。1号機内の温度の上昇と放射線量の上昇が同時期に起こっていることについても何らの説明もしていません。
※圧力上昇は、多分窒素注入によるものでしょう。

それをやらずして、ネット上の流言飛語を防止というのもおかしな話です。変なデータが出て来て、そのデータに対して当然あるべき説明をする努力を放棄しておいて、「そのデータをどう解釈すべきか」についてマジメに考えようとする人達まで含めて全て排除しようとしているように見えます。


このことについて、京都大学原子炉実験所 助教 小出裕章先生がfm797radiocafeというところで電話インタビューを受けた内容がUstの動画でありました。30分ありますので、核心部分だけを聞きたい方は13分以降だけでも聞かれれば小出先生の心配がわかります。

http://www.ustream.tv/recorded/13851905?lang=ja_JP

「1号機では再臨界が起きているのではないか?」というのがその心配です。

杞憂に終わってくれと祈るばかりですが、もし再臨界が起きてしまっているなら、あるいは仮にこれからでも起きる可能性があるのならどう対処しようとしているのかを、東電や政府から明確に説明して欲しいです。

そうでないなら、「これこれの理由で再臨界はあり得ない」という説明でもいいですが、「配置からの説明は再臨界が起きない理由にならない」って小出先生が仰ってます。

どうも、落ち着かない日々です。