技術の見える化スペシャリストの古謝です。

久地円筒分水の「公平分配の見える化」についてもう少し一目で見える説明図を考えてみます。
下図は円筒分水脇に立っている看板の「平面図と縦断図」です。

円筒分水の水は、せき止められた二ヶ領用水を平瀬川の地下を通し、二重円筒中心部から上に吹き上げるように導かれていて、二重円筒の直径は内外各々8m、16mとなっています。
平面図と縦断図の縮尺が微妙にズレているので、赤の点線で示した関連を確認して下さい。
※看板作るとき、これくらい合わせて欲しいモンですよね。
$観察力/想像力を鍛える図化のブログ-追加説明図


吹き上がった水は、内側の円筒で波立ちを均されて放射状に広がります。4カ所の仕切り板によって、放射状の水は大きい方から川崎堀(青)、根方堀(緑)、六ヶ村堀(橙)、久地堀(黄)に分かれます。流れの中に設置した分水堰だと、流れの強さによって分配量が影響されるのに対して、この円筒分水方式では水が真ん中から外側へ均等に広がるので、どんな水量のときでも精密に分配できることが理解できました。
$観察力/想像力を鍛える図化のブログ-平面図拡大分配図


分配率は「川崎堀38.471m、根方堀7.415 m、六ヶ村堀2.702 m、久地堀1.675 m*」という円周長さと同じ比率になるのがわかると思います。
*以下川崎市教育委員会のHPの値を使わせて頂きました。
 http://www.city.kawasaki.jp/88/88bunka/home/top/stop/zukan/z0036.htm

よくできた設計ですね。