過去の日記を元に書いています。
2023.6.5
9か月18日
先月の終わりの話。
あなたへ
今日はね、
あなたの誕生日のお祝いをしたよ。
少し早いけれど。
誕生日は平日だからその前の土曜日。
いろいろ悩んだけど、あなたが連れて行ってくれたお店の中からパスタ屋さんを選んだよ。
あなたの高校時代の思い出がいっぱい詰まったお店だもんね。
そんな思い出の場所に私を連れてきてくれたことが素直に嬉しかった。
支店があって、A町かB町どっちだったっけ?と散々迷ったけど、Aで合ってました。よかった!
お店に入ると好きな席にどうぞと言われたので、迷わずあの時と同じ席にずんずん歩きました。
あの時と同じ左側に座って
顔を上げると目の前にあなたの姿が…
ない。
何回も何回も下を向いてまた顔を上げる、というのをやりました。
でも、ただの壁が見えるだけ…
透明人間になってしまったの?
どうしていないのだろう…
今日もパスタセットを注文しました。
サラダ、スープ、パスタ、デザート、ドリンク…
どう?食いしん坊は健在でしょ?
何故かアイスコーヒーが最初に運ばれてきて笑っちゃった。
あなたがいつも食べていたと教えてくれた、たらこパスタ。
素朴で美味しい。
味がヤングだ笑。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ひとりぼっちの時は静かに流れた。
思いにふける。
最近私の弟が病気をした。
心臓の病気。
こんなことを言うと薄情な姉だが、おそらくそこまで長くは生きられないだろう。
弟も50歳になったので、やはり男性にとって50代は第一関門なのだろうか。
突然亡くなる方も増えてくる年代かもしれない。
死は特別なことではなく、ごく身近なことなのだ。
オギャーと生まれたその日と死はセットになっているのだ。
七五三や入学式、成人式などと同じ、誰にでも訪れるイベントなのだ。
(読んでくださる方の中で、ごく幼いうちにお亡くなりになったお子さんのご家族がいらっしゃったらごめんなさい。)
◇ ◇ ◇ ◇
だからね、わたしゃ悲しいんだけど、
あえてあなたの死をそんなに悲しいと思わないようにするよ。
誰にでも訪れることだから。
◇ ◇ ◇ ◇
アイスコーヒーの氷がとけ、なんだか変わった味がした。
最近厳選した店ばかり行くので美味しいコーヒーに舌が慣れているのだろうか?
『無事に思い出の場所に行って誕生日をお祝いできたこと < 何処に行ってももう会えないんだという寂しさ』
といういつもの不等式が成立し、このお祝いはお開きにした。
また誕生日当日にはケーキでお祝いしようね。