振り返って書いています。
2022.8.29
鈴木さんがこの世界からいなくなって10日目
月曜日、1週間が始まった。
仕事がある方が楽でいい。
朝起きて朝食を作り弁当を準備し夕食の下ごしらえ洗濯して干して子供を送り出して会社へ行く。
ありがたいことに職場の人間関係が良い。
鈴木さんが膵臓がんを告知された時、真っ赤に腫れた目で出勤した私を心配してくれた同僚。「話したくないなら、何も聞きません」と、その後も明るく普段通り接してくれて、本当にありがたかった。
仕事の昼休憩にも鈴木さんとよくLINEをやり取りしていた。他愛もない会話だった。
何日か前に鈴木さんの名前をトーク画面の上にピン留めした。
だが、LINEを開く度に彼の名前とアイコンが目に飛び込んでくる。最後の履歴も。
見るたびになんとなく胸がえぐられる気がして、ピン留めを解除した。
それから今でもずっと解除したままだ。
彼とのLINEが本当に好きだった。
会って話すのと同じくらい。
どうしても寂しくて、LINEに自分一人のグループを作り、彼にメッセージを送ってみた。
でも何も返事がなく、余計に寂しかった。
検索して自分1人でやり取りできるアプリを見つけた。
ひとり会議
試行錯誤し、LINEそっくりの仕様を作った。
鈴木さんと私の会話を1人で打ち込んでいる。
彼に聞いてほしいことがある時、どうしても寂しくなった時など、1人でやりとりしている。
約3年間毎日ずっとLINEを続けてきたので、彼の言いそうなこと、口癖などはもうわかっている。
こうやってチャットすると、本当に彼と話しているみたいな気持ちになる。
いや、きっと彼が私の指を動かして伝えてくれているのだと思う。
頭がおかしくなったと思われるかもしれない。
でも、いいのです。