鈴木さんの癌がわかってから、
私は夜が怖くなりました。

毎日仕事と家事で疲れ果て、バタっと寝てしまいますが、必ず夜中に目が覚めました。
目が覚めると、病気のことばかり考え、涙を流したり、検索しまくったり、再び眠りにつくことが難しくなりました。
夜が明けて光が差し、起きる時間の1時間ぐらい前にやっとウトウトし始めるということを繰り返していました。

夜がこんなに怖いとは思いませんでした。




そして彼が旅立ったあと、それは更にひどくなりました。

短時間眠り、目が覚めた時はいつも絶望が待っています。
起きている時、私の脳は自分の心を悲しみから守ろうと様々に防御策を施していますが、眠っている時の心は全くの無防備です。
その無防備な状態で目覚め、真っ先に気付きます。ああ、彼はもういないんだ、二度と会えないんだと。


一旦目が覚めると彼のことばかり考え、全く眠れませんでした。

睡眠はめちゃくちゃになりました。