みなさま、ごきげんよう
このブログにお立ち寄り下さり、ありがとうございます
今回も引き続き
ミュージカル好きのための お薦め
ミュージカル・コレクション
を紹介したいと思います。
日本ではあまり入手することの出来ない専門的な情報も多数紹介しているので、ぜひお読み戴けると嬉しいです。
なお、紹介する作品は「舞台オリジナルのミュージカル」に限っており、「ミュージカル映画」や「ミュージカル映画の舞台化」は対象外です。
7位 キンキー・ブーツ
2013年初演
作曲・作詞 シンディ・ローパー
脚本 ハーヴェイ・ファイアスタイン
Awards
▪️トニー賞
13ノミネート、6部門受賞
(作品賞、音楽賞(シンディ・ローパー)、主演男優賞(ビリー・ポーター)、振付賞、音響デザイン賞、編曲賞)
▪️グラミー賞受賞
▪️ドラマ・デスク・アワード
2ノミネート、1部門受賞
絶対に聴いて欲しい名曲
・「Raise You Up」(歌唱:全員)
作品解説
作曲・作詞はアメリカを代表する超大物シンガーソングライター・シンディ・ローパーさん、
脚本はブロードウェイを代表する天才・ハーヴェイ・ファイアスタインさんです。
アメリカ音楽界のスーパースターである
シンディ・ローパーさんが
ミュージカル音楽に初挑戦したことが大きな話題になりました。
特に、主題歌の「Raise You Up」はシンディ・ローパー節が炸裂した最高の名曲です。
イギリスの町工場の実話を基にした映画「キンキーブーツ」をミュージカル舞台化した作品で、
万人受けする前向きなストーリーと、社会派のテーマ、そして、シンディ・ローパーさんによる素晴らしい楽曲が大絶賛され、その年のトニー賞を独占しました。
その後、世界中で上演され、今ではミュージカルの歴史に名を残す名作となっています。
「町工場✕ドラァグクイーン」という奇抜な設定を通して、
ミソジニー・マチズモ・ミサンドリー・LGBTQ嫌悪・トランスフォビア・TERFといった、あらゆる差別や偏見に毅然とNOを突きつけている点が、この作品の最大の特徴です。
特に、“有害な男性性”の象徴のようなキャラクターが、ラストには改心してキンキーブーツを履いて歌い踊る場面は、この作品のテーマを象徴しているようで、素晴らしいカタルシスがあります。
シンディ・ローパーさんはフェミニストのアイコンである反面、ミソジニスト・ミサンドリスト・TERFからは敵視されています。
ミソジニスト・ミサンドリスト・レイシスト等は全く自覚が無い人たちが大半なので、ミュージカルという娯楽の形で問題提起するのは凄く意味があると思います。
そういった点を含めて「キンキーブーツ」は、
フェミニストでLGBTQフレンドリーのシンディ・ローパーさんとLGBTQ当事者のハーヴェイ・ファイアスタインさんのコンビだからこそ作れた傑作だと思います。
ハーヴェイ・ファイアスタイン
ハーヴェイ・ファイアスタインさんは
巨漢でゲイの俳優・脚本家で、
ブロードウェイを代表する大スターです。
俳優としては
「ヘアスプレー」「トーチソング・トリロジー」「屋根の上のヴァイオリン弾き」などに主演、
「ヘアスプレー」では主人公の母親役を女装で演じ、
トニー賞ミュージカル主演男優賞を受賞しました。
脚本家としては、
「キンキーブーツ」や「ラ・カージュ・オ・フォール」「トーチソング・トリロジー」「ニュージーズ」などを手掛けました。
これまでトニー賞の主演男優賞を2回、脚本賞を2回受賞しており、
ブロードウェイの長い歴史の中でも類を見ない万能の天才です。
ハーヴェイ・ファイアスタインさんの最大の特徴は
ミュージカル俳優としては致命的とも言える
想像を絶する衝撃的な「ダミ声」です。
ハーヴェイ・ファイアスタインさんの声を初めて聴いた人の多くは、「これを歌って言って良いの?」と思うはずです。
ですが、そんな声にも関わらず
ミュージカル「ヘアスプレー」では見事、
トニー賞ミュージカル主演男優賞を受賞しました。
あれ程の悪声でトニー賞を獲得したのはミュージカルの歴史始まって以来の快挙で、「歌」というものに対する常識を覆すような衝撃的な出来事だったと思います。
また、
男性俳優が女装して女性役を演じてトニー賞を受賞したのもミュージカルの歴史で前代未聞の出来事です。
どちらもハーヴェイ・ファイアスタインさんにしか成し得ない快挙で、
これほど強烈な個性を持った天才は、世界にハーヴェイ・ファイアスタインさんただ一人だと思います。
他に似ている人が誰も居ない、誰にも真似できない、まさに唯一無二の存在です。
最後まで読んで戴き、ありがとうございました。
楽しんで戴けていたら嬉しいです。
In case I don't see ya, good afternoon, good evening, and good night!
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