みなさま、ごきげんよう。
今回は、今日テレビで放送された映画
「万引き家族」
について書こうと思います。
「万引き家族」は、
2018年のカンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞した作品です。
また、アカデミー賞の外国語映画賞にもノミネートされました。
監督は、世界的に高く評価されている
是枝裕和監督です。
万引きで生計を立てている一家を描いた作品で、
主人公が、ネグレクトされている少女を誘拐してきたことをきっかけに、
徐々に歯車が狂い始め、やがて大きな秘密が明らかになる、というストーリーです。
是枝監督は、
「母親の死を隠して年金を不正受給していた家族」のニュースを見て、
この作品の着想を得たそうです。
そして、取材の中で訪れた児童養護施設で一人の少女と出会ったそうですが、
「万引き家族」はその少女のために作った映画だと語っていました。
そういう経緯もあって、
「万引き家族」は強い社会批判のメッセージが込められた作品になっていて、
おそらく「観る人を選ぶ映画」だと思います。
この作品は、キャストの皆さんの演技が絶賛されていますが、
特に樹木希林さんがこの映画の最大の見どころだと思います。
あと、是枝監督のファンの人には、
「蒔田彩珠さんがどこに出てくるのか」
が注目ポイントだと思います。
蒔田彩珠さんは、
是枝監督が見出だした子役出身の女優さんで、
「ゴーイングマイホーム」「海よりもまだ深く」「三度目の殺人」に続き、
4回目の是枝作品出演です。
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ここからは、是枝裕和監督の作品で、特に良かった作品を紹介したいと思います。
1位 海街diary
2位 ゴーイングマイホーム
3位 歩いても歩いても
是枝監督というと、
今回紹介した「万引き家族」や「そして父になる」「三度目の殺人」といった作品が高い評価を受けていますが、
個人的には、
「海街diary」「ゴーイングマイホーム」「歩いても歩いても」の3作品は本当に凄い作品だと思います。
「海街diary」「ゴーイングマイホーム」「歩いても歩いても」の3作品に共通しているのは、
大きな出来事は何も起きない
ということです。
普通の家族の日常の風景を描いているだけなのに、作品として成立しているのが凄いです。
こういった作品が作れるのが、是枝監督の才能だと思います。
映画(ドラマ)が終わっても、物語がそのまま続いていくような余韻が、
「海街diary」「ゴーイングマイホーム」「歩いても歩いても」からは感じられます。
特に「ゴーイングマイホーム」は
テレビドラマの常識を覆した作品だと思います。
全10話のドラマというより、
10時間の映画を10等分して放送した、
という方が正しい気がします。
観ていて癒される、心地よい空気を感じられるドラマで、
最終回が終わっても、また来週続きがあるんじゃないか、というような気持ちになったのを覚えています。
また、明らかにアドリブと思われる場面で、
キャストが吹き出してしまっているのに、そのまま放送されているシーン
がいくつもあったのが驚きでした。
そういった「素」の感情の切り取り方も、
是枝監督の凄いところだと思います。
「歩いても歩いても」については、
樹木希林さんが生涯で演じた全ての演技の中で最高の演技だと思います。
樹木希林さんの良さを100%完璧に引き出した、唯一の映画だと思います。
是枝裕和監督は、おそらく、好き嫌いが完全に二分するタイプの監督さんだと思います。
作風は全く違いますが、実相寺昭雄監督とかと同じような感じで、
「是枝監督の作風・世界観がすごく好き」という人と、
「是枝監督の作品は生理的に無理で、拒絶反応を起こす」という人に
分かれると思います。
それは、それだけ是枝監督の作家性が強いからだと思います。
そして、それだけ作家性の強い、
もっと言うと癖の強い監督の作品が、
ここまで世間に広く受け入れられるようになったことは、本当に凄いことだと思います。
ただ、是枝監督ファンの人でも、
「万引き家族」は好き嫌いが分かれる気がしますが…
逆に、ドキュメンタリー番組の「ザ・ノンフィクション」が好きな人は、絶対に「万引き家族」も好きだと思います(笑)
今回はここまで。
次回の「万引き家族と是枝裕和監督②~海街diary~」に続きます。
②はこちら
最後まで読んで戴き、ありがとうございました。
楽しんで戴けていたら嬉しいです。
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