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市民セクター、パブリックセクター、ビジネスセクターを自由自在にとびまわっています。

元米国防長官、元世界銀行総裁でロバート・マクナマラ氏は、アーバン・インスティテュートの創始者であるという点を大きく含めて、私が世界で尊敬する方です。

 

マクナマラ氏の素晴らしい功績は、政策産業を切り開いたことだと思います。マクナマラ氏が来日されたときの言葉は、今も大変印象深いものがあります。日本の総理に話すのであれば、総理に話したいことは山ほどあるけれども、まずは話をはじめる前に5つほどシンクタンクをつくりなさいというものです。

 

私が国際交流基金日米センターのNPOフェローとして、ボストンに滞在していた時、圧倒的に感じたことは、米国のようなシンクタンクがなぜ日本にないのか、というものでありました。米国のようなNPO制度が日本にないこと、つまり法的な整備が整っていないこと等が大きな理由だと考え、フェローに応募し渡米して研究をしていたのですが、そうではないということに、最近気がつきました。もちろん、日本のNPO制度は米国のそれとは及びもつないほどぜい弱であり、新しい公共の創出などほど遠いものでありますが、そのことよりも、もっと重要なことは、日本には政策需要がないということに気がついたのです。日本において、政府にとっても、官僚組織にとっても、政策産業がないことは悲劇だと思います。

 

シンクタンクとはなんでしょう。UNDPの定義を用いるならば、「定常的に研究を行い、かつ公共政策に関わるあらゆる事項についての提言に従事している組織である。それら組織は近代の民主社会のなかで知識と権力の間の『橋』である」と定義しています。科学と国家当地と市民の溝に橋を渡そうとしているのがシンクタンクです。

 

私がなぜロバートマクナマラを尊敬しているかというと、政治家としてのベトナム戦争の政策決定の過ちを反省し、シンクタンク、政策産業の開拓の道筋を開いたことにあります。私も政治を長い間経験してきました。政治と社会正義には溝があります。政治と知識にも溝があります。政治と科学や市民との間にも大きな溝があります。その溝をうめる気力もなくなっていく市民の姿を目の前で山の数ほど見てきた中で、橋をかけていく試みが必要であると思います。政治の操り人形としての政策研究ではなく、政治を動かしていく為の政策研究と政策実践。私の世代で出来ないことと思いますが、その一歩を私達の世代でつくっていくときにきているのではないかと、強く思うのは私だけではないと思います。

 

ということで、まちづくり研究所系の財団の理事となり、公共政策コンサルタントとして活動をスタートします。政治と政策の架け橋となる活動をしていきます。財団の事務所は、東京は赤坂にあります。岐阜市は、4月から岐阜市役所に隣接したところに、事務所を構えます。岐阜市でもまちづくりのプロジェクトをスタートをして、政策学習の機会創出にむけて動き出します。