遺留分減殺請求ってなに?

 

一人に「一切の財産を相続させる」旨の遺言

Aさんは、60歳代の女性。お兄さん(Bさん)が1名、弟さん(Cさん)が1名の、3人兄弟姉妹です。すでにお父さんは亡くなっており、数日前、資産家のお母さんが亡くなったとのことで相談に見えました。

お母さんは生前、公証役場で遺言書を作っていました。お母さんの死亡後、公証役場でお母さんの遺言を取り寄せたAさん、中を見てびっくり。遺言書には、「一切の財産をBに相続させる」と記載してありました。

Aさんは、BさんCさんと協力してお母さんを介護してきたので、まさかそんな遺言内容だとは思いませんでした。Aさんは、「私には、母の財産を相続する権利が全くないのでしょうか」と悲しそうにおっしゃいました。

 

兄弟姉妹間等がギクシャクする原因にも

 皆さんの周囲でも、このような事例、ありませんか?

 子が複数人いる場合でも、一人の子に全ての財産を相続させたいと希望される親御さんがいらっしゃるのです。しかし、これでは、相続人の間がギクシャクする原因になりかねません。

 

遺留分減殺請求権

 民法には、遺留分減殺請求権(いりゅうぶんげんさいせいきゅうけん)というものがあります。

「遺留分」とは、民法で定められている一定の相続人が、最低限相続できる財産のことです(民法1028条)。

この「遺留分」を侵害された相続人が行使すれば、遺留分を侵害する遺言書の内容の効力を失効させ、その範囲内で財産を返せと要求することができる請求権があります。これが「遺留分減殺請求権」です。

①被相続人の兄弟姉妹には遺留分がないこと、②相続開始および減殺すべき贈与、または遺贈があったことを知ったときから1年以内に請求しなければ、その権利はなくなること、がポイントです。

 

この請求権のおかげで、Aさんは、最終的に、お母さんの相続財産の6分の1を受け取ることができました。

 遺留分減殺請求は、難しい言葉ですが、相続する側も、相続される側も、この請求権のことを知っておいて損はありません。相続があった時に、相続を受ける人の間で大きなトラブルが起きるのを避けられるかもしれないからです。

 

 

 

https://www.gifu-collabo.jp/

 

 

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