電車を乗り継いで、新宿駅に着いた。翔が腹減ったというので仕方なく、西武の喫茶に行った。翔はスパゲティーの大盛りをガツガツ食べている。私が何か注文しようとしていると「お前はそれ以上太ると困るから軽い食事にしろよ!」とのたまうのだ。

 

実は、翔と会った頃の私の体重は50キロはなかった。ところが、スナックで働き始めてお客さんに勧められてビールや焼酎、ウイスキーなどを飲んでいたら、60キロ近くまで太ってしまった。それからは、自分も太っているのが嫌だったが、翔は痩せている女性が好きなので、私は昼間はできるだけカロリーの少ない食事を心がけていた。今は以前よりは、体重も減ったが、まだ55キロはあった。

 

 

そういえば、学院から帰って来てからダイエットのつもりで食事を減らしていて、家族とは食事を摂らないようにしていた。しかし、夜中になるとそっーと起き出して、電子ジャー炊飯器を開けて、丼ぶりにご飯を山盛りに入れてから冷蔵庫にあるおかずらしきものをご飯にかけて食べる。そんな生活がしばらく続いたが、夜学に行き始めて友達もできて楽しかったので、過食状態は自然と治っていったようだった。

 

今は翔が執拗以上に私がたくさん食べないかどうかを監視しているのだ。その勢もあってか、少しずつ体重が減っていく。

 

しかし、この西武の喫茶は昔からある老舗だ。私も15歳の頃にはよく利用したものだ。本当に懐かしい!

 

それから、私たちは歌舞伎町のカジノを目指して歩き出した。

ーーー実は、これからが楽しみでもあったーーー