あれから、数カ月近く時間が過ぎていった。翔はもうすでに仮免許も取得するー仮免許所得とは、自動車学校の第一段階を終え、終了試験を受けることができる条件を取得したことになる。
第二段階の技能と学科が全て終わると、卒業検定試験を受講することができる。それに合格すれば、卒業証書がもらえる。
そのあとは、免許センターで学科試験と適性試験に合格すると、運転免許証が交付される。
翔の通っていた教習所は、日本一速く合格できる学校として有名だった。
当時、舘ひろしが速く合格できる教習所なので、ここで卒業試験に合格したということは、田舎者たちにとっては、ちょっとしたステータスでもあった。その代わり、卒業生たちの事故は多発していたことも有名である。
とくに言い訳をするわけではないが、私の通っていた教習所は、時々、学科の模擬試験を受けさせられることは当たり前のようにあり、かなり厳しい学校でもあった。当然、卒業生たちの事故数は物凄く少ない。
私はしばらく、教習所に行くことを躊躇っていて、休みばかりだった。
昼の喫茶と夜のスナックには休まずに出勤していた。
今、私の拠り所は、お店で働くことが一番楽しかった。