この世に生まれてきたことを自分自身で否定し続けてきた。

生まれてはいけなかったと。

 

 

そんなことを言う私を見て、彼らは「チビは若いのに苦労してるな」といって、眼頭を拭っていた。

 

 

 

このとき、血の繋がりなんて関係なく、疑似的な存在でもあるが兄妹や親子のように絆を感じることができるのだと実感した。しかし、それを感じられる人たちは残念だが、一般市民ではなく、反社会といわれるなかにいる人たちだけにしか、わかってもらえないこともあると自覚したのだった。

 

 

 

このときの私の見解は、とかく世間は偽善者という仮面を被るのが大好きで、周りと同じようにしていれば、間違いない。まるで、合言葉のように「皆と同じように」という言葉が木霊となって響いてきそうだった。

 

 

しかし、こういう人種は皆と同じといいながらも、自分さえよければいいと思っている。それが一般市民の正体でもあった。偽善という

仮面の下の醜い正体を知ってしまったからには、私は鬼の仮面を一生被って、堅気の世界なんかに帰るものか!このアウトローの似合う街、新宿で骨を埋めよう!と当時、深く胸に刻んだものだ。

 

 

 

ここでの生活は思ったよりも規則正しく、昼は忙しい。早朝から、事務所の掃除などで時間はあっという間に過ぎていく。

 

 

そんなときに居眠りをしているようなことがあれば、怒鳴り飛ばされる。ここの生活は楽しくもあったが、少女Aとしてある種の教育をされているかのようでもあった。ここでの生活も慣れてきて、暇を持て余すようになりかけていた、ちょうどそのときに特別な話があるといわれ、皆に加わった。