気がつくと、何処なのか、見渡すとそこは保健室だった。

 

いったい何でこんなところに来てしまったのだろう。私が戸惑っていると、その保健婦さんはとても優しい口調で、私に話しかけてきた。私のことをあざ笑うこともなかった。

あっそうだ!私は貧血を起こして倒れて

しまい、保健室に運ばれたのだ。

 

そして保健婦さんは「弱くなっていたらだめ! 馬鹿にされる! 強くならないとという言葉を残して、忙しそうに部屋から出ていってしまった。

 

今まで、そんなことを直接いわれたことがなかったので、ひとこと、ひとこと保健婦さんの言った言葉を反芻していた。

 

自分の生き様は、確かに弱すぎた。だから、皆に馬鹿にされ続けてきた。そんなことを考えながら、強くなりたい! と考えてみた。

そう考えると、今の環境から脱出したい! もうこれ以上、馬鹿にされながら、ここに生きていることはできないと思うようになっていった。

 

保健婦さんの「強くなりなさい!」という言葉が頭から離れず、「強くなりたい! 」何度も何度も私は、呟いていた。

 

 

今までは弱い私だったが、保健婦さんのいった「強くなる! 」という言葉がとても印象に残り、今までの私の弱かった行動を見つめなおした。「そうだ、一度死んだも同然の身だ。一度死んだ私が再起を懸けて、戦ってやろう」と心に誓い始めた。不思議なものだ。

そう考えていたら、少しずつ自分が変わっていくような気がしたのも、これまた確かであった。私が思いついた考えは、今まで馬鹿にされた相手にリベンジするという方法を考えていた。

 

 

「復讐」という二文字は私にとって、たいへんな行動でもあると思ってもいたが、もう引き返すことはできない。このまま、「復讐」という二文字を実行すること以外、考えもつかなかったのだ。

 

私は全てやったはずだ。祖父や父たちがいう勉強も頑張っていたし

夜遊びなんて絶対しなかったし、なにしろ風紀委員を1年間務めた

風紀委員なんて、ただ文部省が決めた生徒の在り方から各学校が

独自の校則を決めて、それにしっかり守って学校生活を送ること。

校則を守れない生徒たちにしっかりと注意して、改めさせると

いうのが、風紀委員だ。皆んなが同じときに同じように振舞うことが強制されるわけだ。

 

私は密かにこれからの自分の行く方向を決め始めていた。