逃げるようにふて寝して、
夢の中で逃げ回って、
起きても街は朝にならず。
点在する向かいのマンションの灯りに、ごみ収集車のエンジン音。
ぎりぎり朝になる前の世界に、
ワールドカップだからと夜更かしな悪い子が多いのかなって思いながら、
一生懸命音を録る。
形や結果が出ない限り、
不安と臆病風のダブルマッチが背中をがきがき引っ掻く。
怖くてたまらない。
夢は夢のままが、本当は丁度良い。
それでも夢を今に変えたいのは、
きっとくだらない意地。
片意地張ったおかげで、いまもこうして生きているし、いまもこうしてちゃんと辛い。
いつまでも、体が弱く弱く変わってしまっても、
ずっとずっと、研いでいたい。
死ぬまで現役。死んでも現役。
僕が死んでも、僕の音とか声とか指針が、
次の世にわたって、何かに作用しててほしい。
かっこいい音源できあがりそう。
答えにつながる地獄の畦道。
とぼとぼ一人で歩くよ。両手はきちんと空いてるよ。
いつかのステージで、僕のセットを見た誰かが
「なんだ、今日はアコースティックか」って声が入ってきたことがある。
悔しかったなー。
かっこいいはずなんだけどなー。
あの時の僕の舌打ちは、ほんの少し僕を強くしてくれた。
バンドになんて負けないぞ。
一人でもできることだってあるのだ。
ぬるま湯の混合物にどでかい流氷を。
笑い声にさめざめ響く阿鼻叫喚を。
悔しさは、いつでもガソリンだ。がんばる。