窮屈 | 夜、走ってく、隅っこへ

夜、走ってく、隅っこへ

ループマシン・アコースティックギター・声を使う
アコースティックソロユニット「アナン」
[日本語の濃淡、ループ音楽の可能性、十人十色の夜を語り辿る。]

そういうやつの、日記だ。

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昨日という日を不細工にしちゃえば、
割と毎日笑ってられるんだろう。
そんなうまいこと海馬は働いてくれないから、
写実的な微々たる変化で笑うしかないんだろう。


大きな雲が、窮屈そうに新宿の空を駆け足で去ってって、
通勤ラッシュのような色が垣間見えたんだわ。
お空もお空で大変大変。



私的な話だが、
イヤホンがなくなったの。

それはそれは不細工なスカイブルーの色したイヤホンだったけど、
毎日僕の首にかかってくれたから、
ものすごく、寂しい。

新しいの買っても、毎度毎度、なんか元カノを思い出すかのような気持ちを買った当初は思う。

いまどこでなにしてるかわかんない人の声を模写したおかげで、
思い出が重なりに重なって、
なくなると困るの。

ああ、なんかこそばゆい。
違うイヤホンは、なんかこそばゆい。

慣れ親しんだ誰かの声も、少し変わって聞こえてしまう。


イヤホン。
ただの無機物に、情が移る。



明日は、大きく歩きたい。
都会の夏の終わりを、歩きたい。

夏の終わりと秋の終わりが、一番心地いい。
季節の流れがわかりやすいから。


明日は季節の流れにそって、都会の街を歩きたい。

です。