カバーアルバムは嫌いではないのですが、オリジナルアルバムにはどうやってもかなわないと思っているので、自分の中では微妙な位置づけです。
実際のところ、ひどい物だと単なるカラオケになり下がっているものもあると感じていて、ベストアルバム同様、レコード会社の戦略とかお金の臭いを少なからず感じてしまってるふしがあります、あくまでも個人的にですが。
もちろん、大好きなカバーアルバムは何枚もあります。その全てに言えるのは、そのミュージシャンが他のミュージシャンの楽曲をカバーする意味をきちんと理解していて、自分なりの世界観に昇華させていること。具体的に言えば、自己満足だけで完結せず、オリジナルとは違う楽曲の魅力を引き出せること。それくらいやってくれないとオリジナルを凌駕することはできないと思うのです。
そういう意味でUNCHAINがリリースしたこの2枚のカバーアルバムは、元々魅力のある楽曲をUNCHAINが演奏することによってオリジナルとはまた違った魅力を引き出していると思うし、全楽曲がUNCHAINのオリジナルなのでは?と思ってしまうくらい、紛うことなくUNCHAINのサウンドになっています。
選曲も意外なものから、UNCHAINらしいなと思う楽曲までバラエティに富んでいて、面白い。VOL.1の「MR.TAXI」や「丸の内サディスティック」、VOL.2なら「決戦は金曜日」や「全力少年」あたりはUNCHAINには無いイメージのものだったけれど、これは!と膝を打つくらいのすばらしいアレンジと演奏。「WHAT A FOOL BELIEVE」とか「Virtual Insanity」「SUPER GIRL」あたりは嵌るだろうなーと思っていたら、案の定の嵌り具合。
逆にアレンジの妙と感心したのは、レニー・クラヴィッツのアノ曲風のアレンジで生まれ変わった「one more time, one more chance」。
UNCHAINの魅力が十二分に感じられるすばらしいカバーアルバム。もし、カバーアルバムに抵抗のある人がいたら、ぜひ聞いてほしい1枚。J-POPがつまらないと思っている人にも自信をもって推薦したいな。
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