2015年3月17日 Technity
http://ggsoku.com/tech/brand-new-3d-printing-technology-developed/
既存の3Dプリンティング技術では、大きさ数cmの小さな出力物を印刷するにも数時間待つ必要がありましたが、このたび、そうした3Dプリンティングの出力スピードに大きな変革をもたらすことになるであろう新たな技術が、米国で開発されました。本研究に関する成果は、科学誌Scienceに掲載されています。

3Dプリンティング技術ベンチャーのCarbon3D社と米ノースカロライナ大学が共同で開発した新技術 “Continuous Liquid Interface Production technology (CLIP) ” は、酸素と反応すると硬化が抑制される特殊なUV硬化性樹脂を用いることで、従来の熱溶解積層法(FDM)などに比べて遥かに短時間での出力を可能にするもの。
具体的な原理としては、以下の図のように、UV硬化性樹脂を入れたレジンバスの底面に酸素透過膜を配置して「硬化を促進するUV光」と「硬化を妨げる酸素」の両方をレジンバス内部に供給。両者のバランスを精密に制御することで、容器の底部に厚さ数μmの「デッドゾーン」を作り出し、これによってスムースかつスピーディーな立体形成を実現することが出来たとのことです。
▼CLIPの技術概要。硬化はデッドゾーンの直上でのみ進行する。

以下の動画は、実際にCLIPの技術を用いてプリントしている様子ですが、液体の中から出力物が徐々に姿をあらわす様子は視覚的にも新しいものがあります。
従来の技術では、同じ形状を3Dプリントするのに3~11時間を必要としていましたが、この技術を用いると、6分半という短時間で完成させることが可能とのこと。比較する方式によっては、CLIPで100倍もスピードアップしていることになります。

印刷速度の劇的な向上に加えて、CLIPでは、高さ方向にも非常にスムースな形成が可能になっています。従来のFDM方式ではZ軸方向に数十μmピッチの段差が発生することが原理的に避けられませんでしたが、CLIPでは非常にスムースな断面が得られることが、以下の電子顕微鏡写真からも判ります。

Carbon3D社のCEOであるJoseph DeSimone氏によると、既に基幹技術の開発は完了しており、今後は市販化に向けた最適化を進めてゆくとのこと。長らく出力時間の長さが課題となっていた3Dプリントですが、この技術によって大きな変革がもたらされることになるかもしれません。
上は約1年前の記事。
現在、実用化=市販化にこぎつけたような雰囲気です。
下の映像の説明では、「酸素透過膜→酸素透過ガラス」となってます。
紫外線硬化樹脂を使って積層する場合、デッドゾーンをつくらないで、紫外線あてて硬化させると底板にくっついてしまう=終了(笑)
そこをブレイクスルーしたのかな。
紫外線はプロジェクターで当てるので、面での積層となり、印刷スピードが劇的に向上したということか。
シームレスに面で固めるので、断面に地層のような段差がでない。=高強度・高耐久
表題から、カーボン用の3Dプリンタできたか?と期待したのだが、会社名であった(笑)
一体成形の3Dあみあみ形状は、金型では無理(接着組立なら可能そう)、CNCで可能かも知れないが切削に時間ばかり掛かって現実的ではない形状。
ロストワックス精密鋳造真空引も、手間ばかりかかる。
これでシートのスポンジ代替え品つくったら、ある部分は固く、ある部分は沈む、固さの境界に違和感ないような、ジャストフィットするシートが作れるような気がする。しかも、空気通るので蒸れない。
耐久性は、使ってテスト(笑)
3Dプリンタには、イノベーション、革命的な可能性を感じますね。
Watch this complex object get 3D printed in less than 15 minutes. Sean and Norm visit Carbon, the makers of the M1 3D printer, to get a demo of this new super fast 3D printing technology working in real-time. We chat with Carbon's VP of Product, Kirk Phelps, to learn how the CLIP 3D printing tech works, and why it's more than just about really fast prints.
さらに速いのマシンが登場したらしい↓
酸素透過ガラスを使用せずデッドゾーンを作り出すこと(仮特許)で、サイズの制約を受けなく、樹脂の制約を受けなくなるそうです。
oxygen permeable glass : 酸素透過ガラス
Diego Castanon is part of the NewPro3D team. Their printer is CLIP's biggest (and fastest) competitor.
According to Diego, it prints the same sphere as the Carbon3D (6.5 minutes) in 4.3 minutes. It works without oxygen permeable glass so there is essentially no size limitation and it's non-dependent on specific resins. It utilizes a provisional patent which is described as a "dead-zone" to replace the glass layer.
The build from CES uses what appears to be an off-the-shelf projector, but SLA would also be an option. Next, they are working on metal 3D printer which he claims will be twice as fast (as other metal printers?).
We are certainly excited to see where this technology goes in the next year!
Carbon M1 Super Fast 3D Printer Demo!
https://www.youtube.com/watch?v=O2thSsQrZUM
NewPro3D (World's Fastest?) at CES 2016
https://www.youtube.com/watch?v=uqYEOyBmyLM