
再稼働差し止めの仮処分決定。
号外が出たようです。
判決の中で「原発の新規制基準は、合理性を欠く」と、指摘されましたと。
推進派が規制委に潜り込み作ったザル基準、司法にダメだしされてしまいますたと。
原発再稼働は、もう無理でしょう。
良い流れですね。
ついでに、NASAがやんわりディスクロジャー開始なのかどうなのか↓
藤原直哉の「日本と世界にひとこと」 2015年4月15日 本格的21世紀社会への移行
http://naoyafujiwara.cocolog-nifty.com/ipodcasting/2015/04/20151521-bdff.html
IWJに詳しく書かれてました↓
【速報】福井地裁 高浜再稼働を認めず「新規制基準は緩やかに過ぎ。適合しても安全性は確保されていない」と断言! 山本太郎議員は「安全神話の第二幕を開けさせなかった」
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/242582
関西電力・高浜原発3、4号機(福井県)の運転止し止めを求めた仮処分申請で、福井地裁は4月14日、再稼働を認めない決定を下した。仮処分で原発の運転を禁止する決定は初で、決定はすぐに効力を持ち、異議申し立てなどによって決定が覆されるまで、関電は2基を再稼働できない。
14時30頃、福井地裁前では「司法が再稼働を止める」「司法はやっぱり生きていた!!」の垂れ幕掲げられると、地裁前に集まった市民からは歓声と拍手が起こった。涙を流す支援者の姿もあった。
他方、関電は福井地裁の決定について「到底承服できない」とするコメントを発表。不服申し立てをする方針を明らかにしている。

▲決定直後の福井地裁前の様子 人々の歓声に包まれた
福井地裁「新規制基準は緩やかに過ぎ。適合しても安全性は確保されていない」
仮処分を申し立てた福井県や関西の住民らは、「関電が想定する基準地震動を超える地震によって、放射性物質が飛散する過酷事故を起こす可能性がある」と主張し、「人格権が侵害される」と訴えていた。関電は「多重防護の対策を講じ、安全性は確保されている」と反論し、「人格権が侵害される具体的な危険性はない」として訴えの却下を求めていた。
裁判長は昨年5月に福井地裁で大飯原発3、4号機(同県おおい町)の差し止め判決を言い渡した樋口英明氏。「原発の新規制基準は緩やかに過ぎ、適合しても安全性は確保されていない。新基準は合理性を欠く」と指摘した。
高浜原発3、4号機は今年2月、政府が「世界で最も厳しい」と誇る原子力規制委員会の審査に合格していたが、司法はこれを認めなかった。
山本太郎議員「安全神話の第二幕を開けさせなかった」
福井地裁が再稼働を認めない決定をだした直後、地裁前に駆けつけた山本太郎議員は次のようコメントした。
「住民の安全や避難計画はないに等しく、審査もない。安全神話が福島第一原発の事故後に崩壊するどころか、まさに第2幕が幕あけになりそうになっていたところ、福井地裁の良識的な判断がくだりました」
さらに「(安倍政権は)人々の声を聞かないというスタンスで(政策を)進める政権ですから、市民と政治とのコンタクトはほぼ切られた状態になっています。だとするなら、司法というところで判断していただくしかない。司法の中にも色々なしがらみがあるが、それを乗り越えて、福井地裁は良識ある判断をした」と評価した。
(取材:萩崎茂 記事:ぎぎまき・原佑介)
何度でも載せておこう。世界の潮流↓
○国会事故調 (原発事故調査報告書)
http://ameblo.jp/ghostripon/entry-11297455690.html
福島原子力発電所事故は終わっていない。
この事故が「人災」であることは明らかで、歴代及び当時の政府、規制当局、そして事業者である東京電力による、人々の命と社会を守るという責任感の欠如があった。
関係者に共通していたのは、およそ原子力を扱う者に許されない無知と慢心であり、世界の潮流を無視し、国民の安全を最優先とせず、組織の利益を最優先とする組織依存のマインドセット(思い込み、常識)であった。
ローマ法王:原発は「バベルの塔」 現代文明のひずみ指摘
http://ameblo.jp/ghostripon/entry-11231422498.html
原発を旧約聖書の「バベルの塔」になぞらえ「天に届く塔を造ろうとして、自らの破滅を招こうとしている」と表現し、「人間が主人公になって自然を破壊した結果の一つ」と述べたという。
天皇陛下とローマ法王の脱原発発言
2012年3月12日 田中龍作ジャーナル
http://tanakaryusaku.jp/2012/03/0003879
「原子力発電所の事故が発生したことにより、危険な区域に住む人々は住み慣れた、そして生活の場としていた地域から離れざるを得なくなりました。再びそこに安全に住むためには放射能の問題を克服しなければならないという困難な問題が起こっています」。
11日、国立劇場で行われた「東日本大震災・追悼式典」で天皇陛下が述べられた、原発事故に関するお言葉だ。NHKは追悼式典をライブで伝えた。生放送であるため陛下のお言葉は一言も漏らさず伝わった。
ところが同じNHKでも編集作業が加わるニュースでは「原発事故」の部分はカットされていた。民放もこの部分は省いた。
当時、筆者は「原発推進の是非を問う国民投票」を取材するためイタリアに滞在していた。法王は「人類に危険を及ぼさないエネルギーを開発することが政治の役割だ」と述べ、自然エネルギーへの転換を促したのである。
「法王はもともと原発推進派だったが、福島原発の事故を受けて脱原発にスタンスを変えた」というのが市民の一致した見方だった。法王にとっても原発事故はそれほど衝撃的だったのだ。
高浜原発再稼働差止め要旨全文(テキスト版)らしい↓
基準云々の話は、「5 被保全債権について」の部分ですね。
「新規制基準は緩やかにすぎ、これに適合しても本件原発の安全性は確保されていない」
2015年4月14日 NPJ訟廷日誌
http://www.news-pj.net/diary/18984
平成26年(ヨ)第31号 高浜原発3、4号機運転差止仮処分命令申立事件
主文
1 債務者(関西電力)は、福井県大飯郡高浜町田ノ浦1において、高浜発電所3号機及び4号機の原子炉を運転してはならない。
2 申立費用は債務者の負担とする。
理由の要旨
1 基準地震動である700ガルを超える地震について
基準地震動は原発に到来することが想定できる最大の地震動であり、基準地震動を適切に策定することは、原発の耐震安全性確保の基礎であり、基準地震動を超える地震はあってはならないはずである。
しかし、全国で20箇所にも満たない原発のうち4つの原発に5回にわたり想定した地震動を超える地震が平成17年以後10年足らずの問に到来している。本件原発の地震想定が基本的には上記4つの原発におけるのと同様、過去における地震の記録と周辺の活断層の調査分析という手法に基づいてなされ、活断層の評価方法にも大きな違いがないにもかかわらず債務者の本件原発の地震想定だけが信頼に値するという根拠は見い出せない。
加えて、活断層の状況から地震動の強さを推定する方式の提言者である入倉孝次郎教授は、新聞記者の取材に応じて、「基準地震動は計算で出た一番大きな揺れの値のように思われることがあるが、そうではない。」「私は科学的な式を使って計算方法を提案してきたが、平均からずれた地震はいくらでもあり、観測そのものが間違っていることもある。」と答えている。地震の平均像を基礎として万一の事故に備えなければならない原子力発電所の基準地震動を策定することに合理性は見い出し難いから、基準地震動はその実績のみならず理論面でも信頼性を失っていることになる。
基準地震動を超える地震が到来すれば、施設が破損するおそれがあり、その場合、事態の把握の困難性や時間的な制約の下、収束を図るには多くの困難が伴い、炉心損傷に至る危険が認められる。
2 基準地震動である700ガル未満の地震について
本件原発の運転開始時の基準地震動は370ガルであったところ、安全余裕があるとの理由で根本的な耐震補強工事がなされることがないまま、550ガルに引き上げられ、更に新規制基準の実施を機に700ガルにまで引き上げられた。原発の耐震安全性確保の基礎となるべき基準地震動の数値だけを引き上げるという対応は社会的に許容できることではないし、債務者のいう安全設計思想と相容れないものと思われる。
基準地震動である700ガルを下回る地震によって外部電源が断たれ、かつ主給水ポンプが破損し主給水が断たれるおそれがあることは債務者においてこれを自認しているところである。外部電源と主給水によって冷却機能を維持するのが原子炉の本来の姿である。安全確保の上で不可欠な役割を第1次的に担う設備はこれを安全上重要な設備であるとして、その役割にふさわしい耐震性を求めるのが健全な社会通念であると考えられる。このような設備を安全上重要な設備でないとする債務者の主張は理解に苦しむ。債務者は本件原発の安全設備は多重防護の考えに基づき安全性を確保する設計となっていると主張しているところ、多重防護とは堅固な第1陣が突破されたとしてもなお第2陣、第3陣が控えているという備えの在り方を指すと解されるのであって、第1陣の備えが貧弱なため、いきなり背水の陣となるような備えの在り方は多重防護の意義からはずれるものと思われる。
基準地震動である700ガル未満の地震によっても冷却機能喪失による炉心損傷に至る危険が認められる。
3 冷却機能の維持についての小括
日本列島は4つのプレートの境目に位置しており、全世界の地震の1割が我が国の国土で発生し、日本国内に地震の空白地帯は存在しない。債務者は基準地震動を超える地震が到来してしまった他の原発敷地についての地域的特性や高浜原発との地域差を強調しているが、これらはそれ自体確たるものではないし、我が国全体が置かれている上記のような厳然たる事実の前では大きな意味を持つこともないと考えられる。各地の原発敷地外に幾たびか到来した激しい地震や各地の原発敷地に5回にわたり到来した基準地震動を超える地震が高浜原発には到来しないというのは根拠に乏しい楽観的見通しにしかすぎない上、基準地震動に満たない地震によっても冷却機能喪失による重大な事故が生じ得るというのであれば、そこでの危険は、万が一の危険という領域をはるかに超える現実的で切迫した危険である。
4 使用済み核燃料について
使用済み核燃料は我が国の存続に関わるほどの被害を及ぼす可能性があるのに、格納容器のような堅固な施設によって閉じ込められていない。使用済み核燃料を閉じ込めておくための堅固な設備を設けるためには膨大な費用を要するということに加え、国民の安全が何よりも優先されるべきであるとの見識に立つのではなく、深刻な事故はめったに起きないだろうという見通しのもとにかような対応が成り立っているといわざるを得ない。また、使用済み核燃料プールの給水設備の耐震性もBクラスである。
5 被保全債権について
本件原発の脆弱性は、①基準地震動の策定基準を見直し、基準地震動を大幅に引き上げ、それに応じた根本的な耐震工事を実施する、②外部電源と主給水の双方について基準地震動に耐えられるように耐震性をSクラスにする、③使用済み核燃料を堅固な施設で囲い込む、④使用済み核燃料プールの給水設備の耐震性をSクラスにするという各方策がとられることによってしか解消できない。また、地震の際の事態の把握の困難性は使用済み核燃料プールに係る計測装置がSクラスであることの必要性を基礎付けるものであるし、中央制御室へ放射性物質が及ぶ危険性は耐震性及び放射性物質に対する防御機能が高い免震重要棟の設置の必要性を裏付けるものといえるのに、原子力規制委員会が策定した新規制基準は上記のいずれの点についても規制の対象としていない。免震重要棟についてはその設置が予定されてはいるものの、猶予期間が設けられているところ、地震が人間の計画、意図とは全く無関係に起こるものである以上、かような規制方法に合理性がないことは自明である。
原子力規制委員会が設置変更許可をするためには、申請に係る原子炉施設が新規制基準に適合するとの専門技術的な見地からする合理的な審査を経なければならないし、新規制基準自体も合理的なものでなければならないが、その趣旨は、当該原子炉施設の周辺住民の生命、身体に重大な危害を及ぼす等の深刻な災害が万が一にも起こらないようにするため、原発設備の安全性につき十分な審査を行わせることにある(最高裁判所平成4年10月29日第一小法廷判決、伊方最高裁判決)。そうすると、新規制基準に求められるべき合理性とは、原発の設備が基準に適合すれば深刻な災害を引き起こすおそれが万が一にもないといえるような厳格な内容を備えていることであると解すべきことになる。しかるに、新規制基準は上記のとおり、緩やかにすぎ、これに適合しても本件原発の安全性は確保されていない。新規制基準は合理性を欠くものである。そうである以上、その新規制基準に本件原発施設が適合するか否かについて判断するまでもなく債権者らが人格権を侵害される具体的危険性即ち被保全債権の存在が認められる。
6 保全の必要性について
本件原発の事故によって債権者らは取り返しのつかない損害を被るおそれが生じることになり、本案訴訟の結論を待つ余裕がなく、また、原子力規制委員会の設置変更許可がなされた現時点においては、保全の必要性も認められる。