国会事故調 (原発事故調査報告書)[1/2] | Ghost Riponの屋形(やかた)

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国会事故調 東京電力福島原子力発電所 事故調査委員会
この記事は、ダイジェスト版(PDF)を元にしてます。
http://naiic.tempdomainname.com/


はじめに

福島原子力発電所事故は終わっていない。これは世界の原子力の歴史に残る大事故であり、科学技術先進国の一つである日本で起きたことに世界中の人々は驚愕した。世界が注目する中、日本政府と東京電力の事故対応の模様は、世界が注目する中で日本が抱えている根本的な問題を露呈することとなった。想定できたはずの事故がなぜ起こったのか。その根本的な原因は、日本が高度経済成長を遂げたころにまで遡る。政界、官界、財界が一体となり、国策として共通の目標に向かって進む中、複雑に絡まった『規制の虜(Regulatory Capture)』が生まれた。そこには、ほぼ 50 年にわたる一党支配と、新卒一括採用、年功序列、終身雇用といった官と財の際立った組織構造と、それを当然と考える日本人の「思いこみ(マインドセット)」があった。経済成長に伴い、「自信」は次第に「おごり、慢心」に変わり始めた。入社や入省年次で上り詰める「単線路線のエリート」たちにとって、前例を踏襲すること、組織の利益を守ることは、重要な使命となった。この使命は、国民の命を守ることよりも優先され、世界の安全に対する動向を知りながらも、それらに目を向けず安全対策は先送りされた。そして、日本の原発は、いわば無防備のまま、3.11 の日を迎えることとなった。

3.11 の日、広範囲に及ぶ巨大地震、津波という自然災害と、それによって引き起こされた原子力災害への対応は、極めて困難なものだったことは疑いもない。しかも、この 50 年で初めてとなる歴史的な政権交代からわずか18 カ月の新政権下でこの事故を迎えた。当時の政府、規制当局、そして事業者は、原子力のシビアアクシデント(過酷事故)における心の準備や、各自の地位に伴う責任の重さへの理解、そして、それを果たす覚悟はあったのか。この事故が「人災」であることは明らかで、歴代及び当時の政府、規制当局、そして事業者である東京電力による、人々の命と社会を守るという責任感の欠如があった。

この大事故から9か月、国民の代表である国会(立法府)の下に、憲政史上初めて、政府からも事業者からも独立したこの調査委員会が、衆参両院において全会一致で議決され、誕生した。今回の事故原因の調査は、過去の規制や事業者との構造といった問題の根幹に触れずには核心にたどりつけない。私たちは、委員会の活動のキーワードを「国民」「未来」「世界」とした。そして、委員会の使命を、「国民による、国民のための事故調査」「過ちから学ぶ未来に向けた提言」「世界の中の日本という視点(日本の世界への責任)」とした。限られた条件の中、6か月の調査活動を行った総括がこの報告書である。

被災された福島の皆さま、特に将来を担う子どもたちの生活が一日でも早く落ち着かれることを心から祈りたい。また、日本が経験したこの大事故に手を差し伸べてくださった世界中の方々、私たち委員会の調査に協力、支援をしてくださった方々、初めての国会の事故調査委員会誕生に力を注がれた立法府の方々に深い感謝の意を表したい。

東京電力福島原子力発電所事故調査委員会
(国会事故調)
委員長 黒川 清



提言

提言 1 規制当局に対する国会の監視
国民の健康と安全を守るために、規制当局を監視する目的で、国会に原子力に係る問題に関する常設
の委員会等を設置する。
1)この委員会は、規制当局からの説明聴取や利害関係者又は学識経験者等からの意見聴取、その他の
 調査を恒常的に行う。
2)この委員会は、最新の知見を持って安全問題に対応できるよう、事業者、行政機関から独立した、グ
 ローバルな視点を持った専門家からなる諮問機関を設ける。
3)この委員会は、今回の事故検証で発見された多くの問題に関し、その実施・改善状況について、継続
 的な監視活動を行う(「国会による継続監視が必要な事項」として本編に添付)。
4)この委員会はこの事故調査報告について、今後の政府による履行状況を監視し、定期的に報告を求める。

提言2 政府の危機管理体制の見直し
緊急時の政府、自治体、及び事業者の役割と責任を明らかにすることを含め、政府の危機管理体制
に関係する制度についての抜本的な見直しを行う。
1)政府の危機管理体制の抜本的な見直しを行う。緊急時に対応できる執行力のある体制づくり、指揮命
 令系統の一本化を制度的に確立する。
2)放射能の放出に伴う発電所外(オフサイト)の対応措置は、住民の健康と安全を第一に、政府及び自
 治体が中心となって、政府の危機管理機能のもとに役割分担を行い実施する。
3)事故時における発電所内(オンサイト)での対応(止める、冷やす、閉じ込める)については第一義的に
 事業者の責任とし、政治家による場当たり的な指示・介入を防ぐ仕組みとする。

提言3 被災住民に対する政府の対応
被災地の環境を長期的・継続的にモニターしながら、住民の健康と安全を守り、生活基盤を回復する
ため、政府の責任において以下の対応を早急に取る必要がある。
1) 長期にわたる健康被害、及び健康不安へ対応するため、国の負担による外部・内部被ばくの継続的検
 査と健康診断、及び医療提供の制度を設ける。情報については提供側の都合ではなく、住民の健康と
 安全を第一に、住民個々人が自ら判断できる材料となる情報開示を進める。
2)森林あるいは河川を含めて広範囲に存在する放射性物質は、場所によっては増加することもあり得る
 ので、住民の生活基盤を長期的に維持する視点から、放射性物質の再拡散や沈殿、堆積等の継続的
 なモニタリング、及び汚染拡大防止対策を実施する。
3)政府は、除染場所の選別基準と作業スケジュールを示し、住民が帰宅あるいは移転、補償を自分で判
 断し選択できるように、必要な政策を実施する。

提言4 電気事業者の監視
東電は、電気事業者として経産省との密接な関係を基に、電事連を介して、保安院等の規制当局の
意思決定過程に干渉してきた。国会は、提言1に示した規制機関の監視・監督に加えて、事業者が規
制当局に不当な圧力をかけることのないように厳しく監視する必要がある。

1)政府は電気事業者との間の接触について、ルールを定め、それに従った情報開示を求める。
2)電気事業者間において、原子力安全のための先進事例を確認し、その達成に向けた不断の努力を促
 す相互監視体制を構築する。
3)東電に対して、ガバナンス体制、危機管理体制、情報開示体制等を再構築し、より高い安全目標に向けて、
 継続した自己改革を実施するように促す。
4)以上の施策の実効性を確保するため、電気事業者のガバナンスの健全性、安全基準、安全対策の
 遵守状態等を監視するために、立ち入り調査権を伴う監査体制を国会主導で構築する。

提言5 新しい規制組織の要件
規制組織は、今回の事故を契機に、国民の健康と安全を最優先とし、常に安全の向上に向けて自ら変
革を続けていく組織になるよう抜本的な転換を図る。新たな規制組織は以下の要件を満たすものとする。
1)高い独立性:①政府内の推進組織からの独立性、②事業者からの独立性、③政治からの独立性を実現
 し、監督機能を強化するための指揮命令系統、責任権限及びその業務プロセスを確立する。
2)透明性:①各種諮問委員会等を含めて意思決定過程を開示し、その過程において電気事業者等の利害
 関係者の関与を排除する。②定期的に国会に対して、全ての意思決定過程、決定参加者、施策実施
 状況等について報告する義務を課す。③推進組織、事業者、政治との間の交渉折衝等に関しては、議
 事録を残し、原則公開する。④委員の選定は第三者機関に1次選定として、相当数の候補者の選定を
 行わせた上で、その中から国会同意人事として国会が最終決定するといった透明なプロセスを設定する。
3)専門能力と職務への責任感:①新しい規制組織の人材を世界でも通用するレベルにまで早期に育成し、
 また、そのような人材の採用、育成を実現すべく、原子力規制分野でのグローバルな人材交流、教育、
 訓練を実施する。②外国人有識者を含む助言組織を設置し、規制当局の運営、人材、在り方等の必要
 な要件設定等に関する助言を得る。③新しい組織の一員として、職務への責任感を持った人材を中心
 とすべく、「ノーリターンルール」を当初より、例外なく適用する。
4)一元化:特に緊急時の迅速な情報共有、意思決定、司令塔機能の発揮に向けて組織体制の効果的な一
 元化を図る。
5)自律性:本組織には、国民の健康と安全の実現のため、常に最新の知見を取り入れながら組織の見直
 しを行い、自己変革を続けることを要求し、国会はその過程を監視する。

提言6 原子力法規制の見直し
原子力法規制については、以下を含め、抜本的に見直す必要がある。
1)世界の最新の技術的知見等を踏まえ、国民の健康と安全を第一とする一元的な法体系へと再構築する。
2)安全確保のため第一義的な責任を負う事業者と、原子力災害発生時にこの事業者を支援する他の事
 故対応を行う各当事者の役割分担を明確化する。
3)原子力法規制が、内外の事故の教訓、世界の安全基準の動向及び最新の技術的知見等が反映された
 ものになるよう、規制当局に対して、これを不断かつ迅速に見直していくことを義務付け、その履行
 を監視する仕組みを構築する。
4)新しいルールを既設の原子炉にも遡及適用すること(いわゆるバックフィット)を原則とし、それがルー
 ル改訂の抑制といった本末転倒な事態につながらないように、廃炉すべき場合と次善の策が許される
 場合との線引きを明確にする。

提言 7 独立調査委員会の活用
未解明部分の事故原因の究明、事故の収束に向けたプロセス、被害の拡大防止、本報告で今回は扱
わなかった廃炉の道筋や、使用済み核燃料問題等、国民生活に重大な影響のあるテーマについて調
査審議するために、国会に、原子力事業者及び行政機関から独立した、民間中心の専門家からなる
第三者機関として(原子力臨時調査委員会〈仮称〉)を設置する。また国会がこのような独立した調査
委員会を課題別に立ち上げられる仕組みとし、これまでの発想に拘泥せず、引き続き調査、検討を行う。

国会事故調 (原発事故調査報告書)[2/2]
http://ameblo.jp/ghostripon/entry-11297461722.html

とりあえず感じるのは、電気を作るのにリスクを負い過ぎ。
管理、規制、第三者機関と面倒なので、もう止めで良いと思います。



国会事故調 記者会見(原発事故調査報告書)
[長さ 2:23:55]
http://www.ustream.tv/recorded/23776648