
世界最速のVツインレーサー Britten V1000
革新的な設計思想に基づく外観と構造、そして何よりその高い性能により、
世界にブリッテンの名を轟かせたモデル。
ジョンに国際レースでの初勝利をもたらしたマシンである。
少数の部品(タイヤ、サスペンション、ギアボックス等)を除き、全て自家製である。
部品製作の様子は「手作り」と呼ぶにふさわしいもので、
ビデオ「One Man's Dream - The Britten Bike Story」で見ることができる。
マシンが比較的軽量であることと、全体的な重量バランスおよび高出力なエンジンのためか、
ストレートでの加速やコーナーの立ち上がりでウィリーする姿がよく見られた。
しかし、それでも他のマシンを楽々と抜き去ることができていたようで、マシンの基礎性能の高さを見せている。
このマシンのライダーとしては、ニュージーランドのアンドリュー・ストラウド(Andrew Stroud)が有名である。
デイトナでの初勝利となった1994年のバトル・オブ・ザ・ツインズでも、彼が乗車している。
5バルブバージョンのエンジンや、一般向けバージョンのマシンも計画されていたようだが、
1995年のジョンの死により、それらの計画は中断されてしまった。
エンジン
エンジンは1991年型以前と同様に、ジョンが設計・製造した電子制御式燃料噴射の水冷60度Vツイン
エンジンで、985cc・150馬力となっている(後年製造されたエンジンでは排気量と出力が上がっている)。
違うレースカテゴリに出場するための1100ccエンジンも製作されており、それを搭載したマシンは
ブリッテンV1100と呼ばれる。

1991年型以前のエンジンからさらに小型化されており、エンジンの幅はリアタイヤの幅よりも小さいほど
である。エンジン幅が小さいことは前面投影面積の減少に繋がり、このマシンの空力設計上重要である。
カムの駆動方法は1991年型以前と同様にコグドベルトであるが、このモデルではアンダーカウルが無い
ため、炭素繊維・ケブラー製のベルトケースで覆われている。
このケースはエンジンの外観上の特徴にもなっている。

ラジエーターの配置場所はシート下に変更された。冷却水タンクはシート後ろのカウル内にある。
フロントカウルから送られた空気が燃料タンクの脇を通り、シート下に流れるようになっている。
ラジエーター部分は周囲に比べ負圧になっているので空気の吸入効果が高く、さらにラジエーターが
エンジンの前に無いのでエンジンの輻射熱の影響を受けない。
それらの効果により、1991年型以前のものよりも冷却性能が遥かに高いとされる。
排気周りは、エンジンに絡みつくかのごとく複雑に曲がりくねったエキゾーストパイプが特徴的である。
エキゾーストパイプのカラーリングはカウルと同様の青でありそれもまた特徴的だったが、その一方黒く
塗装されあまり目立たない個体もある。マフラーについては、初期のマシンでは非常に短くかつ一本出し
であったが、後に騒音対策のためか他のバイクと同様の全長が長いタイプや、さらに二本出しマフラーに
変更されている。

シャシー
全体的な構成(フルストレスメンバーのエンジン、エンジンに取り付けられたスイングアームなど)は
1991年型以前と同様である。ただし、ハーフカウルになりそれと同時にカウルの形状が大変更されたのと、
上述のとおりラジエータの位置が異なるのが目立つ。このマシンを試乗したアラン・カスカートは、
このマシンは空気を「押しのける」のではなく「切り裂く」と表現し、既存のマシンとの違いを説明している。
ハーフカウルへの変更は、スリムなエンジン幅による小さい前面投影面積が、フルカウルによる整流効果より
も有利だと判断されたためである。なお、初期のモデルではクランクボックス横に小型のカウルがあるが、
あまり意味が無いと判断されたのか、後のモデルでは削除されている。
フロントノーズの形状はいわゆるシャークノーズで、エンジン吸気用およびラジエーター用のラムエアイン
テイクがある。シート後ろのカウルは次第に細くなっていく特徴的な形状であるが、これはスリップストリーム
の制御に効果があるとされ、ジョンはそれをこのマシンの空力設計上最も優れた点であると述べている。

サスペンション
フロントサスペンション周りは独特である。これは、現在BMWのオートバイ等に採用されているデュオレバーに
近い。基本的にはダブルウィッシュボーン式ガーダーフォークで、フロントフォーク(テレスコピック式ではない
ので、実質的にただの板)は上下二つのAアームを介しフレームへ連結されている。ショックユニットは
下Aアームに支点があり、フレームに上端が繋がる。Aアームとフロントフォークはピロボールで連結されており、
操舵時はそれを軸にフロントフォークのみを左右に振る形になる。ハンドルからの操舵力はパンタグラフ状の
レバーによりフォークに伝えられる。この方式の利点としては、ブレーキ時にノーズダイブを起こしにくいことや、
路面への追従性が高いことなどとされる。また、上下Aアームはそれぞれ独立して前後できるため、
キャスター角をある程度自由に設定できる。

リアサスペンションは、ショックユニットのメーカーが変更されてはいるが、1991年型以前と同様の仕組みである。



その他
フロントホイール・リアホイール共に、炭素繊維によるブリッテン製である。

メーター類はシンプルで、アナログ式のタコメーターとデジタル式の水温計、警告灯程度である。
だが、初期のモデルではさらに極端で、油圧と水温の警告用ランプの他には、シフトアップのタイミングを伝える
緑と赤のランプのみだったものもある。その場合、緑ランプの点灯はパワーバンドへの突入を表し、赤ランプの
点灯はシフトアップのタイミングを表していた。
Britten V1000諸元(1998年型)
エンジン
形式 : 4サイクル 水冷 60度V型 クランク横置き 2気筒 DOHC 4バルブ
カム駆動方式 : コクドベルト
排気量 : 998.7cc (1992~1997型は985.3cc)
ボア×ストローク(比率) : 98.9×65.0mm (0.657)
最高出力 : 166hp/11800rpm (BSでは158hp/11800rpm)
最大回転数 : 12500rpm
圧縮比 : 11.3:1 (1992~1997型は13.7)
バルブ径 : 入力40mm 出力33mm
気化器 : 電子制御式燃料噴射
潤滑方式 : ウェットサンプ
その他 : コンロッドやバルブはチタン製、ピストンはフラットトップ。
出力伝達系
クラッチ形式 : 乾式多板 コイルスプリング ワイア作動(バックトルクリミッター機構付)
変速機 : 5段リターン左足動 (1up/4down) (オプションで6段も可)
変速比 : 1速 2.50、2速 1.77、3速 1.38、4速 1.13、5速 0.96
減速比 : 1次 1.97、2次 2.44 (16/39)
シャシー
フレーム形式 : シングルスパインチューブ・サスペンデッドエンジン
フロントサスペンション : ガーダー(ダブルウィッシュボーンタイプ)
リアサスペンション : スイングアーム・モノショック
ショックユニット : オーリンズ製(前後とも)
フロントブレーキ : 直径320mmフローティング+ブレンボ製異型4ピストン
リアブレーキ : 直径210mmソリッド+ブレンボ製2ピストン
フロントホイール : 3.50×17インチ (ブリッテン製カーボン)
リアホイール : 6.00×17インチ (ブリッテン製カーボン)
その他 : トップシャシー、ガーダー、スイングアームは全て炭素繊維・ケブラー複合製
寸法・容積・重量
ホイールベース : 1420mm
車重 : 138kg (BSでは147kg、1992~1997型は145kg)
キャスター/トレール : 可変式
燃料タンク容量 : 24リットル
その他
最高速度 : 303km/h
Britten Motorcycle Company (作業中らしい)
http://www.britten.co.nz/
Britten V1000資料 (Britten Motorcycle Company)
http://ameblo.jp/ghostripon/entry-10321110849.html
「ニュージーランドの怪鳥」・・・ ドゥカティも良いけど、これはもっと良い。
これに唯一対抗できるのは、NCR MILLONA ONE SHOTだな。
価格も約700万で、同じくらいだし。
それにしてもデイトナで、優勝しているのはスゴイね。
1994年デイトナのバトル・オブ・ザ・ツインで優勝(Britten V1000 vs Ducati)
上記記事は、以下の記事をまとめた物です。
Britten V1000 Racing Motorcycle
http://ameblo.jp/ghostripon/entry-10136257437.html
John Britten V1000
http://ameblo.jp/ghostripon/entry-10136257106.html
Britten motorcycle on Isle of Man TT
http://ameblo.jp/ghostripon/entry-10136256877.html
Britten Story
http://ameblo.jp/ghostripon/entry-10136256572.html