1982 Daytona Superbike Race
http://www.youtube.com/watch?v=pJijMnwP6cY
週末。
その男はビッグビジネスの契約を成立させ
一人プレハブの仮オフィスからデイトナスーパーバイクのビデオを見ていた。
幾度の困難を乗り越えたことであろうか・・・
あの焦燥感、戦慄。まだ緊張感だけ頭から離れない。
まだ真夜中の県営住宅。
ガレージから現れたのは、男とブルー&ホワイトに塗られた車体。
キーを捻る。純正にも関わらずデュプレックスサイクロンと同システムのマフラーから
フオォォォンと乾いたサウンドがこだまする。
GWは耐え難い渋滞の東北道下り線。だがこの季節はオールクリアーだ。
日常を振り払うかのように水田の中を駆け抜ける。
埼玉県を駆け抜け一気に北に向かう。
有機的なフルカウルの車体に埋め込まれた角型一灯のヘッドライトが
あたかも男の悲哀を慰めるかのように薄暮の道を照らす。
峠に辿り着く。朝日が男を祝福するかのように 山の向こうから昇り始める。
張っていた全身の緊張感が一気に抜けた。
生きている実感・・・そして気付く。私は生かされていたのだ、と。
ガソリンスタンドの店員が尋ねた。
「それ3型ですか?」、と。
笑って答える。
「3型って言うな。」
GSX-R(400)。

3型だけが角ライト(笑)
不人気車であった・・・個人的には、88-89年式が好き。
触れてはならないGSX-Rの黒歴史である。