週末。
その男はビッグビジネスの契約を成立させ
一人プレハブの仮オフィスからテレビのライオンズナイターを眺めていた。
幾度の困難を乗り越えたことであろうか・・・
あの焦燥感、戦慄。まだ緊張感だけ頭から離れない。
まだ真夜中の県営住宅。
ガレージから現れたのは、男とソリッドブラックの車体。
キーを捻る。DOHC4バルブ単気筒の艶っぽいサウンドがこだまする。
昼間は快適な関越下り線。だがこの時間はまさに恐怖だ。
大型トラックから逃げるかのように左車線を駆け抜ける。
埼玉県を駆け抜け一気に北に向かう。
ちと小さめだが、男根を思わせる洗練されたヘッドライトが
あたかも男の悲哀を慰めるかのように薄暮の道を照らす。
峠に辿り着く。朝日が男を祝福するかのように 山の向こうから昇り始める。
その明りでストップウォッチをチェック。やった、新記録だ。
張っていた全身の緊張感が一気に抜けた。
生きている実感・・・そして気付く。私は生かされていたのだ、と。
畑の農夫が尋ねた。
それ足付くんですか?、と。
笑って答える。
な~んとも思ってません。
DR-Z400SM。
こんなバイク↓
http://jp.youtube.com/watch?v=RqUZo3QOyio