映画館のHPを見たら、なんと『砂の惑星』のリメイク?をやっている。

 予備知識無しに観に行ったら、話の途中で終わってしまい、驚いた。

 三部作構成だろうか。いつ来るともしれぬ第二作が楽しみである。

 一映画ファンとして感想を羅列する。噓は書けないよ。

〇ビジュアルの強烈さや、暗く怪しく不快な感覚はデビッド・リンチに軍配である。芝居というかアクションの演出もリンチのほうが印象的だ。

〇当然特撮というかCGは滑らかで素晴らしい。リドリー・スコットのプロメテウスなどを思い出させるツルツルな完璧性。

〇シールドの表現や、暗殺マシンのデザインがインパクトに欠ける。

〇宇宙船や宇宙の門みたいなののデザインはインパクトあり。

〇暗殺マシンを掴むときの力感の無さが演出力の無さそのものだと思った。

〇フラップター(あるいはオーニソプター)はラピュタのほうがカッコイイ。なんか細長過ぎて形に魅力が乏しい。さすが駿。

〇カイル・マクラクランやスティングは強烈だった。今回のキャストはそれほどでも。

〇母親が母親っぽくない。大げさな芝居の意味がよく分からない。

〇ハルコンネン男爵の不気味さがまだ足りない。

〇リンチ版は登場人物が全部白人だったが、今回は東洋人とか黒人が出てくる。リンチは白人をメイクで奇天烈な人種に見せていたのが、唯の東洋人や黒人になっている。インパクトが無い。もっと工夫すべき。面白くない。アジア系のヒロインが可愛くない。

〇穴が開いて砂が落ちる。サンドワームの登場の仕方は悪くない。が、巨大な感じが足りない。

〇ホドロフスキーバージョンが実現していたらなあ、と思う。まあでも、やっぱり彼にはどうしたって作れなかったと思うよ。サルバドール・ダリを超える皇帝は登場するのか!?

〇リンチ版の欠点は駆け足すぎて後半のストーリーを逐次的に描けていなかった点だと思うのだが、そこを今後このシリーズでやってくれるのだろうか。

〇音楽があまりぱっとしない。映像と同じく凄みのあるパーフェクションなのだが、映画音楽にもフックが必要なんだ。昔のデューンの音楽は未だに覚えてるものな。て↑ーて↑ーて↑て↓~♪とな。この作品の音楽は口ずさめない。効果音と音楽は少し違う。ジョジョの「ゴゴゴゴ…」みたいなのが効果音。楽器を使った効果音が悪いとは言わないが、映画館を出ても覚えている音楽が無きゃあ淋しい。

〇『ブレードランナー2049』でもそうだったが、引き画が洗練と完成度を作り出している。格調と言ってもいい。反面感情移入がし辛い。リンチのほうが下世話だし、プライベートな手触りがある。監督の特徴か。パーフェクションは空想映画にとって意味が大きい。

〇しかし感情的な場面で当たり前にすっと手持ちカメラになるのはアメリカのTVドラマに見られる最近の定型文jか。

〇砂蚯蚓が表れるとき、リンチ版では雷が発生している。これは感覚と記憶と倫理の問題だ。ゴジラの周りに海鳥が飛んでいるか、というのと同じだ。

〇マックス・フォン・シドーのやっていた役を黒人女性がやっていた。黒人女性だからというわけではないが、彼女のキャラクターはこすっからい小悪党という感じ。ベルイマン組の名優マックス・フォン・シドーの威厳は当然無い。改善点と呼べるものだろうか。安直な政治正当性のために作品が散漫になるこの頃。黒人にだってモーガン・フリーマンのように威厳をまき散らす役者はいるはずだ、例え女性であっても。

〇ナウシカがデューンの影響下にあることに言及するのはタブーなのだろうか。

〇美術に驚きが無い。全てにおいて規模が想像の範囲内なのが残念だ。過去作品であるリンチ版や、実現しなかったホドロフスキーに負けているようでは、リメイクの意味が無いのでは、と思わせる。

〇なんというかこう、全部つるっとさせました、という感じ