真木さん進級編

時は1999年に入り亜美や奈月が進級した正月以降のストーリーで
現在は2月頃、臨時首都仙台で東日本以降を防衛するために戦隊は遅滞防衛戦を展開していた。

斯衛軍より真木舞香中佐が急遽戦隊の基地に来られた。
亜美戦隊長「お久しぶりです。色々ありまして、ご挨拶ができず申し訳ありませんでした。
佐渡島防衛戦ではかなりの便宜を図っていただきありがとうございました。
今日はどのような御用で?。」
と戦隊長自ら出迎えて戦隊長室の来客ソファーで話す。



真木舞香「軍から、沙奈江を少佐に、上月中尉を大尉に昇進させる事が決まったのよ。
他に理由もあって、特に異議もなかったから決まったんだけど...沙奈江と上月中尉はいるかしら?。」

亜美戦隊長「お待ちくださいね。今、整備班に副官から戦隊長室へ来るように手配してますので
すぐに来られると思いますよ。」

その間に、橘副官が真木整備班長と上月副官を通信端末で呼び出しつつ
舞香にお茶とお茶請けを出しもてなす。



真木班長「来たぜ亜美。お袋が昇進話を持って来たってよ。」
呼び出しに応じ、真木が入って来た。



真木舞香「来たわね沙奈江。早速だけど、少佐に昇進の話受けてくれるかしら?。」


真木班長「あぁ...聞きたいんだけど亜美はどう思う?。」

それを聞いて亜美はにっこり微笑み。
亜美戦隊長「もちろん、良いことですよ。お祝いしないと。
なんなら。中佐に昇進されても良いのですよw


それだけの事をされて来ていますし、陸軍に出向してるから
何かと肩身が狭い思いをさせているので申し訳ないですが、
そこは関係ありません。

それに別の話ですが西は本当なら中佐に昇進して
司令部に異動命令が出ていたのですが、、、それを蹴ってまで私の元にいてくれるらしいですから。
真木さんも昇進して異動されてしまうのなら、、寂しいですが本人の意思がそうしたいのなら、、、ですが。」
と後半はちょっと寂しそうに言う。

真木班長「何言ってんのさ、アタシはどこにも行かないよ。アンタら姉妹を置いて行ったりするもんかよ。」

真木舞香「あらあら...、そんなに姉妹を気に入ったのかしら?私もだけど。
さて、真木沙奈江大尉。貴方を正式に斯衛軍少佐に昇進して貰うわ。一応聞くけど、
衛士としても復帰できた貴方なら斯衛軍で1部隊預けられるだろうし、なんなら引くて数多よ。異動しなくていいの?」
わざとらしく舞香は聞いた。

真木班長「おいおい、意地悪言わないでくれお袋。アタシはこの第零独立強襲戦隊を抜けるつもりはねぇよ。
アタシと仕事したい斯衛衛士がいるなら、戦隊に所属しやがれって話だ。」

亜美戦隊長「、、、私のわがままでここに居てもらって本当に申し訳ないです。
でもそういっていただければうれしいです。奈美も喜びますよ。今偵察任務でゴースト准尉と出ていますが。」
と嬉しそうに言う亜美。

亜美戦隊長「真木中佐殿も有難うございます。私は真木さん達に迷惑をかけっぱなしです。
私達にできることがあれば何でもしますので、いつでも言ってくださいね。」
と舞香にも言う。

真木舞香「あらあら...、なら私のことは舞香叔母さんと呼んでもらおうかしら〜。」


真木班長「お袋...にしても上月遅いな。」
 

そう呟いた直後、上月が入って来た。
上月副官「上月拓巳、只今参りました!すみません事務仕事が立て込んでいたもので...。」



亜美は舞香の言葉に恥ずかしそうにしつつも嬉しそうに答える。
亜美戦隊長「私にとっての義理の両親はもう逝ってしまって、戦友の叔父様方しかいないので嬉しいです。
、、、舞香叔母さん(小さい声で)」
と、上月副官が入ってきたのですぐに切り替える。

亜美戦隊長「上月副官、申し訳ないです。お忙しいところ、真木舞香中佐が来られて
真木さんと上月さんに昇進の通達とのことですよ。」
と伝える。

真木舞香「...亜美ちゃん!。」
舞香は上月と真木を尻目に亜美を抱きしめた。

真木舞香「あぁ...なんて良い娘なの。大丈夫、沙奈江や叔母さんが絶対に力になるから心配しないでね?。」
上月副官「し、昇進ですね。勿論お受けしますよ。」

亜美はもう真っ赤になって固まていた。なんか真木さんと同じだなあと。
亜美戦隊長「あはは(真っ赤)、いやその。有難うございます。できればこれは奈美にしてあげてください。
すごく喜ぶと思いますよ。上月副官も昇進おめでとうございます。」

真木班長「お袋...まぁ、亜美は凄く頑張ってるからこれくらいしてもらわねぇとな。
上月、大尉昇進おめでとう。」


上月副官「真木大尉、いや真木少佐もおめでとう御座います。」

それを聞いて亜美は。
亜美戦隊長「嬉しいです。これはたぶん私の正月の時の進級祝いですかね(*´∀`)。
それに真木少佐殿、上月大尉殿お二人ともご進級おめでとうございます。
これからも我が第零独立強襲戦隊の戦術機を宜しくお願い致します。
そして私直轄の戦隊本部小隊の遊撃分隊として今後ともよろしくお願いいたします。」
と立ち上がりお辞儀式の最敬礼を行う。

真木班長「ってな訳だ。上月、整備班と戦術機遊撃分隊との二足の草鞋だが、行けるよな?。」


上月副官「愚問ですね少佐。貴方のいる場所が私の場所なのは、今も昔も変わりませんから。」
 

真木班長「違いねぇや。」

亜美戦隊長「有難うございます。ついでな言い方で申し訳ないです。真木さん、

可能であればご進級されたので、、、
もし可能でしたらこの機会に副戦隊長に任命したいのですが良いでしょうか。
真木さんなら本来私の位置にいてもおかしくないので。。」

真木班長「うーむ、アタシ的には良いんだが...部隊は陸軍所属だ。そこに斯衛が副戦隊長としていても良いのかい?
南條中将の庇護があるからと言っても、軍内部に敵を増やすのは宜しくないんじゃないかい?」

寂しそうな顔をして亜美は言う。
亜美戦隊長「、、、元々私達姉妹は、両親に助けられて日本人として、早雲家に迎えられて、、、。

両親はその件で懲罰的な後方任務や補給基地司令と副官にさせられ、

私達も陸軍内部では特に高級将校には嫌われています。
だからそのことは今更です。それなら真木さんに力を存分にふるっていただく方がいいと思いますので。」

真木班長「あぁ...そうだったね。」
地雷を踏んだと確信し、申し訳ない顔をする。


真木舞香「なるほど沙奈江、副戦隊長になりなさい。南條中将だけじゃなく、斯衛の後ろ盾も得ることになるわ。」


真木班長「アタシと亜美で陸軍と斯衛の架け橋になるってわけか...良いよ、副戦隊長の任アタシ受けるよ。」

亜美戦隊長「いえ、真木さんが悪いわけではありません。こればかりは私達姉妹がいけないのです。
私達姉妹がこの時代に生きているからこうなったのですよ。いなければ両親は今頃、

優秀な1個護衛艦隊の司令官と副官だったと思います。
有難うございます。そうですね。架け橋になっていただけると嬉しいです。


基本的には整備班長を優先していただいて構いません。
私が今まで通り戦隊長業務は行いますので。例えばどうしても戦隊長として二つの事をしなくてはならない時とか
以前のBETA基地襲撃の時の防衛指揮とか私の不在時の対応をお願いしたいです。
宜しくお願い致します。」
と寂しそうに微笑む。

真木班長「おう、任せとけ。」

亜美戦隊長「嬉しい。。早速この部屋にも真木さん専用の副戦隊長の執務机作らないと
上月副官用の机も紫音の副官室に準備しますか。」
と冗談で言う。

橘副官「それは良いですね。副官室で一緒に事務作業しますか、上月大尉殿。」
と言う。

上月副官「勿論です。整備ハンガーに作った臨時事務所をこうも早く畳む事になるとは...寂しさ半分、嬉しさ半分ですね。」

亜美戦隊長「では予算をすぐに確保して。あ、でも整備ハンガーでも執務を行ってもらっても良いですからそっちも残しておきましょうよ。
整備班としての業務もあるはずなので。」
と素早く手配する亜美。

上月副官「戦隊長がそれで良いと言うなら。」

亜美戦隊長「じゃあそうしましょう。整備ハンガーの方も残します。
お二人のご進級祝いしないとですね。
あ、時間があれば奈美の手料理でも食べて行ってくださいと言えるのですが、
あいにく奈美は、第六警戒小隊は夕方ぐらいに基地に戻る予定ですので、、、

大したもてなしもできず、申し訳ないです。真木中佐殿。」

真木舞香「気にしないでちょうだい、単に昇進の通達をしに来ただけだから。

それじゃあ伝えた事ですから、

私は帰りますね。」

亜美戦隊長「あ、基地の正門までお送りいたしますよ。今度正式にそちらにお伺いさせていただきますので、
その時は宜しくお願い致します。」

真木舞香「えぇ、楽しみにしているわ。」

亜美と真木たちは舞香をお見送りして亜美は言う。
亜美戦隊長「さて、真木さんと上月副官の進級祝いをしないといけませんね。
明日夜やりましょう。奈美が戻ってきたら料理何か決めて、料理長と相談して作っておきますよ。
もちろん私も参加します。」
と戦隊長室へ戻りながら亜美は真木たちに言う。

真木班長「おう、楽しみにしてるよ。」
上月副官「ですね。」

亜美戦隊長「あ、申し訳ない真木さん、せっかくなので真木さんのご家族も呼びましょうよ、今更ですが
連絡とっていただいて良いですか?後で聞かせてくださいね。こちらは南條中将と三芳中将にも

連絡しておきますので。」


と言って亜美は戦隊長室へ戻り南條中将に連絡する。
亜美戦隊長「あ、南條叔父様、唐突なのですが、明日夜お時間ありますか?
先ほど、真木さんのお母様がいらっしゃいまして、真木さんが少佐に進級との通達がありました。
これを機会に、真木さんには正式に副戦隊長をお願いしました。


それで、明日の夜昇進祝いをやりたいなと。戦隊の家族のお祝いなのでできれば南條叔父様と三芳叔父様にも、
それに七瀬秘書官にも来ていただきたいなと思いまして。」
と話す。

南條中将「なるほど、それはめでたいな...。確かに斯衛軍との良い関係を築く為にいい方法だな。
隆文は、どうだろうなぁ〜姉妹の事じゃないから来ないんじゃないか?」
などと言う南條。



亜美戦隊長「またまた御冗談を。ちゃんと三芳叔父様にも伝えて任務が何か入っていたら仕方ないですが
ちゃんと3人で一緒に来てくださいよね。皆さんも戦隊の家族なので。」
と言う。

南條中将「分かった分かった、ちゃんと連絡するよ。」

やれやれと思う亜美。
亜美戦隊長「伝えましたからね、3人で来てくださいね。」
と通信を切る。

そして奈美に今度は連絡して、真木と上月副官の好きなものを整備班に聞いてきてと伝える。

奈美は整備ハンガーに行き、こっそり真木や上月副官の見えないところで、
落合や砂原、菊間に声をかけて聞く。
奈美准尉「お二人の好きな食べ物って何ですかね。。一応甘いものとか、
皆で食べられそうなものは準備しますが、できればお二人の好物を知っていたら教えてもらえませんか。」
と伝える。



落合副長「班長と上月さんの好物ですか...なら砂原さんと菊間さんの方が知ってるんじゃないですか?」


砂原整備兵「2人の好物?なんだったかな...姉御は甘味好きとは聞くけど。」

菊間整備兵「姉御は芋の煮っ転がしで、上月さんは豚汁です。
2人とも甘味は小豆を使った物が好きですよ。」

落合副長「菊間さんはなんでそんなに詳しいんですか?。」


菊間整備兵「今の時代、情報は1番重要なんですよ。」

奈美准尉「菊間さん、さすがですね。情報は確かに重要ですよね。
有難うございます。真木さんは芋の煮っ転がしで、上月副官さんは豚汁ですか。
それなら生前母から教えられてますので作れそうですね。ただお二人の好みに合うか心配ですが。
甘未は小豆ですか、、、人数を考えると、ぜんざいで白玉入れてみますか。
ちょっと料理長さんと相談しないといけませんね。量が足りるかどうか。。。。」
と思案する。

それを聞いた菊間は、突然奈美を引っ張り物陰に連れて行くと、メモを渡した。
菊間整備兵「書いてある番号に連絡してみて下さい。少しは融通をしてくれると思います。
代わりに、私が二足の草鞋を履いている事は御内密にお願いしますね?」

奈美准尉「あ、有難うございます。もちろんですよ。秘密は守ります。
その相手の方には菊間さんからのご紹介という事はお話ししても良いのですか?」

菊間整備兵「勿論ですよ。スパイ活動をしていると、融通を利かせてくれる所もありますからね...。

好きに使って下さい。」

奈美准尉「有難うございます。では早速連絡してみますね。」
と落合と砂原の元に戻り。
奈美准尉「皆さんありがとうございました。何とか献立できそうです。
明日は夜ここでいつものようにやりたいと思いますのですみませんが整備ハンガー貸し切りさせてくださいね。」
と伝える。

落合副長「了解しました。と言う事は、急ピッチでやらないとですね。」


砂原整備兵「よし、非番連中起こしてくるっ!。」

奈美准尉「あわわ、あまり皆さんご無理はしないでくださいね。
料理はお任せください。では。」
と整備ハンガーを出て通路の誰もいないところで先ほど菊間整備兵に教えられた番号に
電話をしてみる。

??「この番号を知ってるのは...菊間か?」
警戒している声で尋ねる話し相手。

奈美准尉「あの、、、申し訳ありません。菊間整備兵さんからご紹介されて連絡いたしました。
私、陸軍所属第零独立強襲戦隊の早雲奈美と申します。いきなりで申し訳ありません。」
と申し訳なさそうに話す。。

??「...菊間の奴から事前に話は聞いているよ。私は某斯衛軍基地の料理長、とだけ言っておこうか。
それで?私に何かようかな早雲さん。」

奈美准尉「有難うございます。料理長さん。お願いがございます。真木沙奈江さんはご存じでしょうか?
今日ご昇進されまして、私達でお祝いをしたくて。
でもこの緊急時に甘味がそこまでなくて。。可能でしたらぜんざいを作りたいのですが
小豆と砂糖を融通していただけないでしょうか。


私にできることが有れば何かお返しはしたいと思いますが。。。
何ができるか解りませんが。」
と困惑しながら伝える。

??「見返りは要らないよ。菊間には世話になってるし、借りもある。その借りを返すと言う形で、

小豆と砂糖を融通しよう。
真木沙奈江の事は知っているよ。九州防衛戦では世話になったからね。」

奈美准尉「真木さんのお知合いの方ですか、有難うございます。では申し訳ないのですが
すぐに陸軍第零独立強襲戦隊宛に送っていただけまか?
送料等はこちらで持ちますのでもしかかる場合は着払いでお願いいたします。


あの九州防衛戦を生き延びられたのですね。真木さんも危なかったですが、

生き残られて今は私たち陸軍の整備班長と衛士としても復活されて助けられてます。

ですから、その戦友さんであるのであれば、私も何かお返ししたいです。
もし、人手が必要であれば、、その時は呼んでくださいね。専門ではありませんが、

料理は私も母から教えられてますので。」
と伝える。

??「そうか...。分かった、直ぐに送ろう。」

奈美准尉「この度は急な事にもかかわらず有難うございました。
ではまた改めて後日お礼を。すみません。また連絡させてください。
失礼いたします。」

??「構わないさ、菊間に宜しく言っといてくれ。」

奈美准尉「はい、お伝えいたしますね。では、有難うございました。」
と電話を切る。

戦隊長室へ行くと、ちょうど呼ばれていた料理長と話し合っていた亜美が難しい顔をしていた。
亜美戦隊長「奈美、どうだった?料理は行けそうだけど、やはり甘味系がたりなさそうなのよ。
どうしたものか。」

奈美准尉「それも何とか菊間さんのおかげで手配できました。
真木さんや菊間さんのお知り合いらしい方から融通してもらえました。うれしい限りです。
お二人の好きな料理はどうやら真木さんは芋の煮っ転がしで、上月副官さんは豚汁が好きみたいです。
和食系でご飯と一緒に出しましょう。あとデザートはぜんざいの白玉入りで。」

亜美戦隊長「そう、それはありがたい事ね。できる限り恩は返したいわね。
じゃあ、芋の煮っころがしと豚汁は私と炊事班で、白玉ぜんざいは奈美に任せるわ。
うちの味が真木さんや上月さん達に喜んでもらえるようにがんばりましょう。
料理長、炊事班は和食でご飯とその他も併せてお願いね。
紫音業務は少しお願いね。」

橘副官「もちろんですよ。真木さん達のためにどうぞしてあげてください。」

戦隊の料理長「承知しました。大がかかりですが何とかなるでしょう。」
と亜美と奈美達は取り掛かる。

そして翌日夜。
整備ハンガーに戦隊のメンバーが集まる。

真木班長「昇進祝いか...中隊率いた時に一度だけ祝って貰ったっけね。」
上月副官「大尉昇進祝いでしたね。中隊全員ではしゃいでましたよね。」

奈美准尉「真木さん、上月さん。お二人は真ん中に。今日の主役なんですから。
、、、真木さんのご両親は忙しそうで駄目でしたか。残念ですが。
あ、南條中将と七瀬秘書官さんと三芳中将も来られましたね。そろそろ始めますか。」
と亜美が3人をアテンドして整備ハンガーにくる。

南條中将「いやはや、2人の昇進はめでたいね。これからも戦隊を頼むよ。ハハハ!。」

七瀬秘書官「中将...真木少佐、上月大尉改めておめでとう御座います。
中将と同じくですが、これからも戦隊を宜しくお願いします。」


三芳中将「、もう酔っぱらってるのか恭次郎。まったく。」


亜美戦隊長「さて、皆そろったので始めたいと思います。
今回、真木整備班長が少佐に、上月副官が大尉に進級されました。おめでとうございます。
喜ばしい事です。それに合わせて、真木さんには副戦隊長をお願いしました。
基本は整備班長として今まで通りで構いません。緊急時や私が不在の時は申し訳ないですが、
宜しくお願い致します。


話は長くなるのはどうかと思うので、お二人の好物を私達姉妹と炊事班で準備しました。
お酒も、今日は酒保解放します。皆、大いにお二人をお祝いして、飲み食いしてください。
では、乾杯。」

奈美准尉「皆さん、炊事班で夕食は配りますので芋の煮っころがしか豚汁はどちらか選んでくださいね。
あと甘味もあります。白玉ぜんざいです。ちゃんとご飯を食べてからですよ。
食べ終わった方から言ってください配りますので。」

真木班長「おぉ!煮っ転がし!あれ?アタシの好物言ったけか?。」
上月副官「確かに、豚汁は私の好物ですが...、言った事ありましたかね?。」

奈美准尉「いえ、昨日急遽あの後、整備班の皆さんに聞いたのですよ。
急遽でしたのでちょっと味付けがどうかと思いますが、、、炊事班の方と一緒に作ったので
大丈夫だと思いますが、、母に教えてもらった味が合うかどうかと言うのもありますが。」
と不安そうに奈美は上月副官に豚汁を、亜美は真木に芋の煮っころがしを渡す。

2人は好物を食べる。
真木班長「合う合わない所の騒ぎじゃないよ...美味しいじゃないか!。」


上月副官「うん、美味しいですよ奈美さん。」

二人の言葉にホッとし、喜ぶ姉妹。
奈美准尉「、、、良かったです。母に色々教えてもらえて。
お二人に喜んでもらえたなら。。。こんなにうれしいことはないですよ。」

そこに遅れてきた司軍医長。
司「あー、遅れた。酒飲み放題と聞いて通常の3倍で仕事終わらせてきた。
沙奈江の昇進祝いだ。やっほい、飲みまくるわ~。」
しんみりしている奈美を気遣うように陽気に話す司。



真木班長「ったく、アンタはただ酒飲みたいだけだろ!」

それを珍しく真面目に答える司。
司軍医長「そんなことないもん。ちゃんと沙奈江が評価されてるのは嬉しいよ。沙奈江はいいこだからね。」
と抱きかかえていいこ、いいこと頭を撫でる。

真木班長「いきなり、何をするんだいこのヤブ医者!。」
いきなり頭を撫でてきた手を反射的に掴み、逆に手刀を脳天にお見舞いした真木。

上月副官「少佐、流石にやりすぎでは...。」

真木班長「ふ、フン!いきなりするからだよ。(マズった、反射的に何時もの返しを...)」
真木は内心焦っている。

手刀を食らった司はいつもは皮肉で返していたが今回は、、、ガチ泣きした。。
司軍医長「ふぇぇぇぇーーーん。沙奈江がイジめる。もういいもん。

せっかく昇進祝いに仕事早く終わらせてきたのに。」
と本気でショックで酒瓶を抱えて医務室へイジけて帰って行った。

司の心の声が聞こえた奈美が低い声で真木に話す。
奈美准尉「、、、真木さん。。司さん悲しんでますよ、、、。」

真木班長「...悪いとは思うが私は謝らないよ。」

奈美准尉「真木さん。あのですね。司さんは、、、本当にずうっと真木さんの事を心配していたのですよ。
そしてやっと足が治って、戦術機に乗れて。自分の事のように喜んでました。
今回も患者さんがいるのに真木さんのために急いで全部処置して、手術して駆けつけてくれたのですよ。


なのに。司さんが可哀そうです。今回は本当に落ち込んでましたよ。。。
せめて後で話してあげてください。お願いです。」
と懇願する。



真木班長「...ちょいとタバコ吸ってくる。(つい反射でやっちまったな...)」
そう言い、そそくさとその場を後にする。

奈美准尉「はい、いってらっしゃいませ。(良かった。解ってくれた。)
戻ってきたらデザート出しますから期待しててくださいね。」
真木の手を一瞬取り(ちゃんと司さんと一緒に戻ってきてくださいね。)
と心の声で伝える。

司は一升瓶でやけ呑みしながら、さまよっていた。
司軍医長「沙奈江ちゃん、もう私の事不要なのかな。やっぱり私いらない子なんだ。
両親にも言われた。明日香はいらない子だ。司家にとってお前は恥だ、迷惑だ出てけと昔言われたし。これでいいのかな。」
とそのまま基地出ることを考えた。
(まあヤブ医者ででもできることがあるから1人でもなんとかなるし。。)



そんな目の前に、タバコを吸っている真木が現れた。
真木班長「ようヤブ医者。何処ほっつき歩いていたんだ?。」
真木班長「探したんだぞ...手刀してすまなかった...。」

司は鼻水を垂らしながら泣きわめく。
司軍医長「だって、だって。沙奈江、最近冷たいんだもん。前は冗談だと解ってたけど。
今は確かに少佐に進級したし、整備班の重責もあるけど、、、もう私はいらないんだよね。
戦隊を出ていくよ。私は所詮いらない子なんだよ。両親にも勘当された時にそういわれたし。」
と泣きながら出ていこうとする。

真木は徐に司の胸倉を掴み上げた。
真木班長「おい、言って良い冗談じゃないぞ。
アタシがいつ要らないなんて言った?アタシの主治医の癖に、腐れ縁のダチの癖に勝手にいなくなるのかよ明日香!
誰がアンタを要らないって言ったんだい?名前を言いな、今直ぐソイツをぶん殴って来るからよ。」

司軍医長「ウェーーーン。戦隊にそんな嫌な子はいないよ。
言われたのは両親と、今まで所属してた基地のやつら。
沙奈江が最近冷たいからそう思ってしまっただけだよ。
私は沙奈江が好きなんだよ。嫌われたくない。」
と鼻水が垂れたまま真木の胸に抱きつく。

真木班長「最近は忙しくて余裕無かったからな...。さっきみたいにいきなり来なきゃしないさ。
ったく鼻水くらいは拭けっての。」
そんな事を言いながらも構わず司を抱きしめる。

司軍医長「うん、ごめん。。沙奈江ちゃんと一緒に仕事したい。」
とちり紙をだして真木の服を拭く。

真木班長「構いやしないよ。さて、アタシも酒飲みたくなって来たし整備ハンガーに戻るぞ。

飲み直しに付き合えよ?戦友?」
真っ直ぐ司を見る真木。

その言葉を聞いて、司は満面の笑みを浮かべる。
司軍医長「うん、これからもよろしくね。少佐殿。」
真木の肩に手を回してほっぺにチューする。

真木班長「あぁ、一つ言っとくがそう言いう趣味はないからな?」

司軍医長「うん、私もないよ。冗談だよ。沙奈江は私の患者で腐れ縁の戦友だよ。」
といつものように自由奔放に真木の前をくるくる周りながら、一升瓶で呑みながら
整備ハンガーに戻る。

真木班長「帰ったぜ、呑み直すぞ!」

心配していた奈美がデザートを真木と司に渡す。
奈美准尉「心配しましたよ。司さん絶望してましたし。。。でもよかったです。
いつもと同じですね。はい、これ白玉ぜんざいです。食後のデザートです。

と、真木の横に座り少し小声で真木に話す。
奈美准尉「ごめんなさい、真木さん少しここでいいのでお話聞いてもらえますか。
さっきの事ではないです。」

真木班長「改まってどうしたんだい?」

奈美准尉「あのですね。今回真木さんと上月さんの進級祝いの料理ですが。。
どうしても戦隊では甘味の量が準備できなかったのです。
内緒にしてほしいのですが、菊間さんが教えてくれた方に材料を提供していただきました。
その方はとある斯衛の基地の料理長とだけ名乗ってくれました。
 

真木さんとは九州でご縁があった方と仰ってました。
私は、、このご恩をお返ししたいです。その方解りますか?」

真木班長「いや...分からないね。率いていた中隊の奴等の関係者かはたまた、
光線級のレーザーから庇った奴なのか...心当たりが多すぎるよ。」

奈美准尉「そうでしたか。。。あまり公にされたくないようでしたから。。
幸い連絡は取れるかもしれませんが、、何かできることがあったら言ってください
とお伝えしてますのでその機会にちゃんとお礼したいですね。」
とちょっとしょんぼりしているが気持ちを切り替えて。

奈美准尉「真木さんも上月副官さんも甘いものも好きなんですよね。
ちゃんとお代わりできますから行ってくださいね。」
と言う。

真木班長「あぁ、ありがとう。」

そこに亜美も来る。
亜美戦隊長「真木さん、上月さん進級おめでとうございます。
色々重荷をさらに増やしてしまうことになってしまい申し訳ないですが、
今後ともよろしくお願いしますね。
私達姉妹はお二人が居てくれてるからここまでこれたのですから。」
と奈美を見ながら真木と上月に話す。

真木班長「今更じゃないか、構いやしないよ。そうだろ?上月。」
上月副官「はい、我々も戦隊の一員ですから。出来ることをするだけです。」

亜美戦隊長「有難うございます。一緒に今後事もよろしくお願いしますね。」
と亜美と奈美は二人にお酒を注ぎ乾杯する(奈美はジュースですが)

周りで司軍医長が元気になっていて奈月中尉にちょっかいをだしてお酒を注いでいる。
慌ててゴーストが止めに入り、それを奪い取り代わりに呑む。

真木班長「全く、ヤブ医者め。ホラ、アンタはアタシと飲むんだよ。」
そう言って司を奈月から引き剥がす。

司軍医長「にゃー、奈月ちゃんと呑むの~。」
奈美准尉「奈月お姉ちゃん、大丈夫ですか。これオレンジジュースどうぞ。」
ゴースト准尉「はあ、やれやれ。お酒飲めない方にそれはアルハラですよ。」
とそれぞれいう。

奈月中尉「本当に飲めないのでやめてください!」



上月副官「彼女もそう言ってます、軍医長これ以上は私も怒りますよ?」

真木班長「ったく、前から奈月は飲めないって言ってるだろう。いい加減にしなよ。」

司軍医長「うー、ごめん、やり過ぎた。もうお酒で絡まないよ。
沙奈江付き合って~。」
と謝る。


ゴースト准尉「(良かった。まあちゃんと話は聞いてくれる方だしね。)
奈月さん、飲みたくなったら、前にも言いましたが、ゆっくりで、ちょっとでもいいから
一緒に呑みましょうね。」


奈美准尉「その時は私も一緒に少し飲みますよ。」

奈月中尉「うん、ありがとう。」

真木班長「ほら、そんなに飲みたいなら付き合ってやる。来な。」
奈月を尻目に司を連れて行こうとする真木。
真木に連れてかれて司は2人でいっぱい呑みまくる。

亜美、奈美は同じ視線で周りを見た。

尊敬する、そして母のような姉のような真木少佐率いる斯衛の整備兵達、
そして愛すべき戦術機部隊の戦友達、

さらに葉吹大尉達を中心に戦術機空挺輸送機隊の機長の藤田中尉や槙村中尉達。
そして独立機械化工兵戦術機隊の面々、司軍医長達の衛生兵部隊、基地の衛兵、その他隊員達。

そして、かけがいのない両親の戦友のお二人、南條叔父様と、三芳叔父様。と七瀬秘書官。

みんな楽しそうにはしゃいで真木と上月副官を祝った。
私達姉妹は人では無いまがい者。でも、、、いつまでみんなと共に生きて行けるか解らないが、
このまま愛すべき家族と一緒にずうっと生きていたいと思った。
と、、、その中に晴輝と、亜紀の姿がいたように見えて二人は少し嬉しそうにほほ笑んだ。



それを隣で呑みながらゴーストが見ていた。
ゴースト准尉「??戦隊長、奈美さん、どうされました。ちょっとうれしそうですね。」
と声をかける。

亜美戦隊長「いや、会いたい人たちが見えた気がしてね。南條叔父様達と三芳叔父様と一緒にいたような気がしたのよ。」
ゴースト准尉「??(もしや、、、)。」
奈美准尉「いえ、なんでもありまんよ。戦隊も大所帯になったなあと。皆さん良い方ばかりで。本当にうれしいです。」

こうして亜美達は真木と上月をもてなし、お祝いた。
みんな、それぞれ楽しそうに食べて呑んで交流を深めたそうな。
END